(週刊朝日2013年10月4日号)
http://dot.asahi.com/wa/2013092500046.html
http://archive.is/8JniQ
「初めの10人を終えたとき、すでに9人からセシウム134か137を検出していました。予備検査を含めた最高値は1リットル当たり1.683ベクレル。参考までに調べた大人は2.5ベクレルという高い数値でした。いまも検査は継続中ですが、すでに測定を終えた85人中、約7割に相当する58人の尿から1ベクレル以下のセシウムが出ています」
《福島県の子供たちが公費で「尿検査」を受けられない理由》
☆福島第1原発事故 健康調査検討委、内部被ばく議論を当初削除 矢ケ崎克馬・琉球大名誉教授の話
(毎日新聞。2012年11月20日)
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20121120ddm041040114000c.html
http://www.webcitation.org/6FmZQOqEc
一般的なWBCは放射性物質を検出できる最低値(検出限界)が尿検査よりも50~60倍高く、「不検出」になるケースが多い。将来的に健康被害が生じても、尿検査を実施していなければ内部被ばくの記録がなく、被害者の切り捨てにつながりかねない。県が尿検査を巡る議論を除いていたのは被害を低く評価するため尿検査を見送りたい本音を見せたくなかったからではないか。
☆大規模に進められるWBCによる内部被曝調査について
矢ヶ﨑克馬
http://blog.acsir.org/?eid=22
2 尿検査
「内部被曝隠し」という目的意識が危惧されるのは、もっと感度の高い尿検査を福島県が封じ込めていたのではないかと推察される事件が生じているのも一要因である。
昨年11月に、福島県の県民健康管理調査の検討会議の議事録の一部、「県側が尿検査に難色を示した箇所」を、福島県が公開する時には削除されていたことが判明している。福島県側の議事録隠蔽とこの調査が表裏一体なのではないか?と懸念しているのである。
尿検査の検出限界はおよそ0.05Bq/kg程度である。単純化して1日の排尿量を1kgと仮定して全身被曝量に換算する。子どもの場合は生物学的半減期を40日として計算すると、2.9Bq/全身となる。これを早野氏らが行った300Bq/全身と比較するとなんと、103倍も検出感度がよい。大人の場合は生物学的半減期を80日として、0.05Bq/kgは5.8Bq/全身となり、感度は52倍である。
要するに早野氏らが行った検査方法であり、福島県がこの方法に固執した(尿検査を排除した)ホールボディーカウンターの検出限界の50倍から100倍の感度が尿検査では保証できるのである。尿検査は、排尿の状態に個人差があり、日によって異なり、運動量や補水量で1kgあたりの放射線量は異なる。しかし、感度がよいということ自体のメリットは否定しがたい。数値そのものは誤差があり得ても検出感度はホールボディーカウンターの50倍から100倍もあるのである。早野氏らの調査を尿検査で行っていれば、おそらく100%近くの市民に内部被曝者の確認ができているであろう。
住民に寄り添い、できるだけ放射能被曝があるかどうかを丁寧に検出しようとする意志があるのならば、彼らの行った以外の道が選択されたであろう。尿検査のゲルマニウム半導体検出器の測定時間が長すぎることが指摘されているが、1Bq/kg程度までなら、NaIシンチレーションでも十分測定が可能となっている。WBC一機買う値段で何十台も購入可能である。要は住民に寄り添う姿勢を反映した計測目的さえあれば、如何にでもなるのである。
《南相馬市は子供たちの「尿検査」をしないままで強引に「安全宣言」を出した》
☆南相馬の子ども「異常なし」 3千人を内部被ばく検査
(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201309/CN2013092401001568.html
福島県南相馬市は24日、市内の小中学生を対象に内部被ばく検査をした結果、受診した約3200人全員で放射性セシウムが検出限界以下だったと発表した。
(略)
検査は市の学校検診の一環として、今年5月から8月に市立総合病院などでホールボディーカウンターと呼ばれる装置を使って実施。