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2015年3月14日土曜日

【一覧表】チェルノブイリ原発事故から4年目のロシア(ソビエト連邦)の動き

http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/etc/JapNews/News1990.html

https://web.archive.org/web/20150314001921/http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/etc/JapNews/News1990.html

90/04/04 河北新聞:ロンドン4日=共同
ポーランド、クラクフで開かれた医学の倫理に関する会議で、ミンスクの白ロシア大学教授、オレグ・ザデロ教授が、チェリノブイリ事故の結果、白ロシア、ウクライナ合わせて今後数千人の死者がでると警告。オレグ教授によると、白ロシアの住民200万人が放射線レベルの高い「汚れた領土」に住み、10万人はさらに強い放射能のなかで汚染穀物を食べている。またウクライナの代表団は、疾病や免疫不全が急増している事実を報告。


90/04/06 北海道新聞:モスクワ5日
タス通信によると、プリピャチ川下流とキエフ貯水池の上流で、ストロンチウム90やセシウム137が蓄積。汚染は深刻で、今後の水資源利用を制限する必要があると、ウクライナ共和国水生生物学研究所の部長が述べた。


90/04/09 日経新聞:モスクワ8日
ゴルバチョフ大統領は、チェリノブイリ事故の被害住民に対する援助の大統領令を発令。周辺地域の子供や青少年のために、医療・保養施設を優先配分するよう要請。またソ連閣僚会議と保健省は、事故周辺地域で働く労働者のメディカルチェックを実施する方針を打ち出した。


90/04/10 北海道新聞:モスクワ9日
ウクライナ共和国政府は9日、世界各国の政府、市民組織に対しチェリノブイリ事故の汚染除去作業への協力を求めるアピールを行った。ウクライナ共和国のかなりの地域が汚染され、1614の居住地域が危険ゾーンのなかにあると指摘。


90/04/12 朝日新聞:ハバナ10日時事
キューバ政府は、チェリノブイリ事故で障害を負った子供たちを病院に受け入れた。ハバナの病院には113人が収容されている。みな放射線被曝で甲状腺、白血球に異常が見られるという。


90/04/19 毎日新聞:ニューヨーク=タス
ユニセフの委員会で白ロシア共和国の代表団は、チェルノブイリ事故で3万7千人以上のソ連の子供達が、ガンや貧血、心臓病で苦しんでいるとし、子供達のための援助を要請。白ロシア共和国は人口220万人で、子供は約80万人。


90/4/21 読売:モスクワ=記者
ソ連のビタリー・ドグジェフ副首相は、25日の人民代議員大会で、汚染地区の住民18~20万人を新たに1993年までに移住させる計画を報告した。


90/04/24 毎日新聞
ウクライナのヤコブレフ医師が来日、23日記者会見した。同共和国では4つの州と10の地区が厳重管理区域に指定され、居住する数百万の住民のうち、妊婦、新生児の健康調査が行われている。内臓障害などの先天障害をもった子供の出生は、1985年は1000人に22人だったが、昨年は30人に増加。甲状腺ガンの子供が2人発見されたほか、妊婦の免疫機能の低下、子供の呼吸機能や胃腸の障害、貧血が増加しているという。妊婦の妊娠中毒症は事故前の1.5倍、貧血は2.5倍、未熟児出産や死産も増加傾向。


90/04/25 毎日新聞:モスクワ=時事
23日のプラウダによると、汚染地域から今年、さらに1万4千人を避難させる計画が進められている。ウクライナ共和国の6地域、計32地区が汚染されており、そこに住む住民は20万人以上に上る。


90/04/26 毎日新聞:モスクワ=時事
ソ連最高会議のシチュルバク代議員は25日、チェルノブイリ事故による死者は公式発表より十倍多い約300人に達すると発表。ウクライナの市民組織「チェルノブイリ連盟」が算定したもの。汚染除去、避難、加療などで今後1800億~2500億ルーブル(40~55兆円)が必要と見込まれるという。またドグジェフ副首相は25日、ウクライナ、白ロシア、ロシア3共和国で、1993年までに18~20万人を避難させる計画を明らかにした。


90/04/27 毎日新聞
白ロシア共和国の反原発の作家で人民代議員のアダモビッチ氏が来日、26日記者会見。チェルノブイリ事故について「死者は数万人にのぼるとみられ、白ロシアだけで200万人が正常な生活を営めない」と語った。


90/04/30 毎日新聞:シアトル=AP
チェルノブイリ事故で復旧活動を行い、白血病の症状がでたソ連人パイロットが27日、米国シアトルの病院で骨髄移植手術を受け、手術は無事終わった。生存率は25~75%という。


90/5/1 日本海新聞:ロンドン=共同
エリツィンソ連人民代議員は、サンデータイムス紙との会見で、チェルノブイリ事故後、ソ連共産党政治局会議が、事態の重大さを隠す決定を全員一致で行っていたことを明らかにした。当時政治局員候補だったエリツィン氏自身も反対しなかったという。


90/5/11 読売:モスクワ=記者
チェルノブイリから4年、国営TVの24時間の特集など、関心が盛り上がる。イズラエリ国家気象委員長は、「事故当時私は真実をリーダーたちに伝えた。しかし、テレビではうそを言った」と発言。ウクライナでは、事故後住民に危険を知らせなかったシェフチェンコ共和国最高会議幹部会議長の裁判を要求する声が噴出、「ウクライナ独立」、「レーニン主義打倒」の叫びにまで発展。


90/5/26 朝日
来日中の白ロシア科学アカデミーのコレシコ教授は、白ロシアでは今年中に100万人の住民が新たに避難を迫られることになる、との衝撃的な事態を明らかにした。



90/6/18 朝日:キエフ=松本記者
キエフで17日まで3日間、チェルノブイリ被曝者第1回全ソ大会が開かれた。これまでばらばらだった組織を統一しようと各地から1000人を越す代表が集まった。大会での報告によると、除染に参加した人は合計60万人、うち4分の1が正規軍人で、残りのほとんどは、「ズボレ」と呼ばれる民間人。約5万人が重い放射線障害による病気に侵され、200~300人に1人の割合で死亡した。最終日、「全ソ・チェルノブイリ同盟評議会」が正式に発足した。



90/7/9 毎日:モスクワ=共同
白ロシア最高会議はこのほど、ソ連国防省に対し、ゴメリ、モギリョフ州などチェルノブイリ被災住民の徴兵免除と医療部隊の駐留を要請する声明を採択。


90/7/9 朝日:モスクワ=渥美記者
ミンスク大学のペトリャエフ教授によると、白ロシア汚染地帯の住民の肺の中に多量のホットパーティクルが存在。


90/7/21 福井:RP=共同
白ロシア最高会議は、1平方km当り1キュリー以上の汚染地域の居住民に対し、8月1日以降、毎月15ルーブルを支給することを決定。


90/8/7 福井
広島原水禁大会に参加のキエフのイリーナ・ゴルディンコ医師によると、チェルノブイリ事故の結果、妊婦子供の被害が深刻。甲状腺異常は軽度のものも含め、妊婦で1万5千人、子供で5万人、出生直後の乳児で約3万人にのぼる。


90/9/1 日経
チェルノブイリ原発から約3kmのプリピャチの屋内で被曝した砂糖を測定した結果、学校で平均0.068グレイ、書店で0.055グレイであった。放医研の中島らがESRで測定したもの。


90/9/2 福井
チェルノブイリ原発などを視察したIPPNW日本支部の訪ソ団5人が31日帰国し記者会見。広大横路教授によると、チェルノブイリ事故処理にあたった十数万人のうち、これまでに246人が急性放射線障害などで死亡。


90/9/16 読売:モスクワ=浅見記者
ミンスクの放射能治療研究所から、コンピューターディスクが盗まれ、チェルノブイリ被災者約50万人と汚染町村2万のデータが消去されてしまった、とタス通信が報じた。


90/10/13 河北:モスクワ=共同
コムソモリスカヤプラウダによると、チェルノブイリ事故による汚染肉が今でもロシア共和国各地でソーセージなどに加工されて売られている。1986年6月国家農工委員会は、各地の食肉コンビナートに対し、汚染地域で飼育された家畜の肉は加工して出荷するよう勧告、その勧告は毎年延長されてきた。


90/10/27 朝日
広島の放影研で開かれていたWHOのチェルノブイリの健康影響に関する科学諮問会議は、オブニンスクに設立する「放射線保健問題国際センター」の活動内容について、20万人の疫学調査など六つのプログラムを決めた。疫学調査の対象は、甲状腺被曝の子供7万人、事故処理従事者4万人、汚染地区居住者4万人、避難者4万5千人。

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