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2013年1月8日火曜日

【被爆資料(邦文)】ドイツ人医師による分析「福島原発事故と健康への影響」


IPPNWドイツ支部のアレックス・ローゼン医学博士がWHO(世界保健機関)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%BF%9D%E5%81%A5%E6%A9%9F%E9%96%A2

による福島原発事故と健康影響の報告に対しての分析(批判)を日本語に翻訳し、発表した。

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WHOのフクシマ大災害リポートの分析

アレックス・ローゼン(Alex Rosen)医学博士

ドイツ・ジュッセルドルフ大学付属病院・小児科クリニック

2012年9月14日


(注:PDF)
http://www.fukushima-disaster.de/fileadmin/user_upload/pdf/japanisch/WHO-Analysis_Alex-Rosen-IPPNW_Japanese.pdf


3.誰がリポートを書いたのか?

リポートは、万国からの30人の専門家チームよって作成された。彼等の全てが、検討すべき利害衝突を何も挙げていない。しかし、専門家チーム・メンバーをもっとよく考察してみると、これと全く違った事情が明るみに出てくる。:

①Dr. Mikhail BalonovはIAEA(国際原子力機関-International Atomenergy Agency)で働いている。同様に、Carl BlackburnもGerhard ProehlもVolodymyr BerkovskyyもJeanRené JourdainもDiego TelleriaもIAEAで働いている。

②リポートには、David Byron  は、国連食糧農業機関(UN Food and AgricultureOrganization-FAO)のメンバーであるとリストされているが、彼がIAEAの食糧・環境保護部の長であることは述べられていない。

③同じく、Lionel Mabitも国連食糧農業機関に勤務とリポートには記載されているが、実際はIAEAで土壌科学者として働いている。

④WHOの専門家チーム・メンバーの殆どが国家の原子力規制機関で働いており、FlorianGering や Brigitte  Gerich は 放 射 線 防 護 - ド イ ツ 連 邦 政 府 機 関 ( Bundesamt  für Strahlenschutz)から来ている。

⑤Vladislav GolikovやMikhail Balonov、そしてIrina Zvonovaは、ロシア放射線衛生学研究所(Russian Institute of Radiation Hygiene)のメンバーである。

⑥ Jean-René Jourdainは、フランスの放射線防護・原子力安全研究所(Institut de Radioprotection et de Sûreté Nucléaire《IRSN》) に勤務している。

⑦Stephanie Haywood、Peter Bedwell、 Jonathan Sherwood、 Joseph Wellings、 Tom Charnock、 そして WHOの専門家チームの委員長であるJane Simmondsらは全て、英国健康保護機関(British Health Protection Agency)-以前の英国放射線防護委員会(National Radiological Protection Board)で働いている。

⑧三枝新は、日本の放射線医学総合研究所と原子力安全委員会の一員である。


これら全ての機関は、原子力産業との結託や原子力賛成派の政治家の影響の下にあるという事で、過去に非難を受けている。殆どの放射線防護機関は、原子力支持派の政府からの影響下にあるため、政府の感情を害するような発言や報告はしないようにと慎重である。

また、日本の国会事故調査委員会は、福島原子力大災害の責任者として原子力規制当局を名指すまでに至っている。

WHOの専門家チームの中の幾人かは、よく知られた原子力機関のスポークスパーソンであり、IAEAのために働いている。IAEAは、原子力推進が彼等の中心的使命であると宣言しており、原子力がもたらす健康的影響に関して批判的な論説を公表した科学者は誰一人として、専門家チーム・メンバーとして任命されていない。

内部被曝の長期影響を警告した放射線生物学者たちは、専門家チームに含まれていないし、放射線とガンの関連性研究を専門とする腫瘍学者もチームに受け入れられていない。日本の独立した市民放射能測定所が提示した検出結果は考慮されなかったばかりか、それについて言及もされていない。

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