[タグ]大瀧丈二。
☆福島第1原発事故でチョウに異常 琉球大チーム調査
(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201208/CN2012081001003078.html
5月に集めた成虫144匹から生まれた卵をふ化させて育て、孫の世代まで調べたところ、いわき市や広野町など福島県内のチョウは、子の世代で死ぬ確率がほかの地域に比べ高かった。線量が高い地域ほどオスの羽のサイズが小さくなっていた。
☆The biological impacts of the Fukushima nuclear accident on the pale grass blue butterfly
(ネイチャー誌)
http://www.nature.com/srep/2012/120809/srep00570/full/srep00570.html
(大まかな和訳)
2011年3月の福島第一原子力発電所の事故による放射性物質が東北に生息している蝶ヤマトシジミに与える影響が明らかになりました。ヤマトシジミは日本では普通に見られるチョウで、畑や公園、人家周辺でよく見られる種類です。本研究では、2011年5月に東京から福島にわたる地域で、事故後最初に羽化したヤマトシジミの成虫を採集しました。採集したチョウには比較的軽度の異常が見つかりました。
また、この採集したチョウに卵を産ませたところ、子の世代では、親世代よりも高い割合で異常個体がみつかりました。さらに、この世代の異常個体に卵を産ませ、孫の世代を見てみると、異常が孫世代にまで遺伝することがわかりました。
さらに、2011年9月に野外で採集したチョウからは、5月の結果よりも一層厳しい異常が観察されました。他にも、沖縄のヤマトシジミの幼虫と蛹(さなぎ)の時期に低線量の放射線を外部から照射したり、福島で採れた草をエサとして与えることで低線量の内部被曝をさせると、福島などでみられたチョウの異常と同様の異常がでることもわかりました。
これらの野外の状況や実験の結果から考えると、福島第一原子力発電所から放出された放射性物質が、ヤマトシジミに生理的かつ遺伝的な損傷をもたらしたと結論づけられます。