「低線量放射線の危険性。低線量放射線により癌が発生する」
Gefahren ionisierender Strahlung
http://www.ippnw.de/atomenergie/atom-gesundheit/artikel/b2f3d97806/gefahren-der-radioaktivitaet.html
ROSEN博士の論文の原文
「Ärzte zeigen: Krebserkrankungen schon nach niedrigen Strahlendosen」
http://www.ippnw.de/atomenergie/verborgene-texte/artikel/04b857971f/aerzte-zeigen-krebserkrankungen-sc.html
以下は在独邦人emi kiyomizuさん
https://twitter.com/kiyomizu5
による暫定訳
↓
IPPNWドイツ支部。医師Alex Rosen博士より。
低線量放射線の危険。低線量放射線により癌が発生する。
長い間、科学者や医師達は、放射線が人間の健康にたいし影響を与える事を警告してきた。
ドイツのエルツ山にあるウラン鉱山の地域の人たち、セラフィールドやラ·アーグ地域の人たちも、チェルノブイリ原発事故で放射線の影響を受けた人達や、福島原発事故で影響を受けた福島第1原発の周辺の人たちも、ここ数十年、核兵器を使用した地域の人たちも放射線の被爆をしたのである。
低線量放射線が健康影響を引き起こすという事実を医学で証明することが可能であるのに、原発ロビー(原発推進派達)は一貫して放射線被曝の健康影響についての警告を無視し続けてきた。
最近、(UNSCEAR)原子放射線の影響に関する国連科学実行委員会が福島第1原発事故による放射線の影響に関して
「福島は健康の影響がないと予想する、法定で決められた平均の放射線量、年間20ミリシーベルトは超えていない」
と報告した。
UNSCEARはチェルノブイリ原発事故においても、ウラン鉱山の地域や核実験を行なった地域でも同じような報告をしていた。
我々医師は長期間、低線量放射線が健康への影響を与えることを知っている。
1950年代にアリス·スチュワートが母親が胎児期にレントゲン検査したら、低線量放射線により子供達が白血病になる率が増加することを証明した。
放射線によって起こるDNA損傷と癌の発生を防護するために放射線被爆を最小限にすることが原則である。
どんな医師も子どもたちに100回のX線検査はしない(年間20ミリシーベルトになる)し、健康への影響を考えない医師はいてない。
2013年5月にオーストラリアの医師がブリティッシュ·メディカル·ジャーナル(BMJ)で低線量放射線が危険であることを示した研究を公式に発表した。
1985年から2005年の間1090万人の人達のデータを研究し、CT検査の数と癌の発生率を比較した。
簡単に説明すると、研究結果は、CT検査をした人達は、10年近くまったくCT検査をしていない人たちより放射線被曝により約24%(20%から29%)の癌を発生する危険率(リスク)が高いことが証明された。
CT検査の平均の放射線量は、(約4.5ミリシーベルト)であるが、年齢、性別、生れた年などは関係ない。
特に若い年齢でX線(CT検査)検査をした人達は、放射線被曝による癌のリスクが増加し、癌のリスクが約16% (13%から19パーセント)増加した。
*年齢別のリスクは以下の通りである。
*CT検査をした1歳〜4歳は癌リスクは35 %(25%から45%)である。
*CT検査をした5歳-9歳で癌リスクは25%(17%から34%)である。
*CT検査をした10歳-14歳で 癌リスクは14%(6%から22%)である。
*CT検査をした15歳以上の年齢で癌リスクは24%(14%から34%)である。
CTの放射線被爆により、白血病、骨髄異形、リンパ線腫瘍、胃腸の腫瘍、メラノーマ(皮膚癌)、軟部組織の腫瘍、 女性の生殖器の腫瘍、泌尿器の腫瘍、脳腫瘍、甲状腺癌などが明らかに増加を示した。
(悪性黒色腫はメラノーマmelanomaとは、皮膚、眼窩内組織、口腔粘膜上皮などに発生するメラノサイト由来の悪性腫瘍である。)
*最も明確にされた例は以下の通りである。
頭蓋骨のCT検査をした後に脳腫瘍の発生リスクは144% (112%―181%)増加した。
腹部のCT検査後に白血病の発生リスクは224%(117%―384%)増加した。
胸部のCT検査後に軟部組織腫瘍発生リスクは364 %(74%―1140%)増加した。
研究で低線量放射線による健康影響の原因はどこから来ているのか示すことはできない。
しかし、研究で低線量放射線による被曝で癌が発生することは明確に示されたのである。
患者に対しての医療検査の期間は平均9.5年であり、癌は20年、30年、40年の医療検査をしなければならない。
したがって、もっと癌が発生すると思われる。
小児期は白血病や甲状腺癌になることは非常にまれで、癌になる率は一般的に低いので、研究によって書かれた増加数は、絶対的な数でない。
1千93万9680人の人達を研究調査し、その内680211人がCT検査をおこなっており、CTの放射線被爆により3150人が癌になり、2,542人は将来癌になると推定された。
CT検査による被爆で147人が脳腫瘍になり、、356人が腫瘍になり、48人が白血病や骨髄異形になり、57人がリンパ腫になり、CT検査による放射線被曝で発生したのである。
研究では、特に子供たちに於いて放射線量(平均4.5ミリシーベルト)でも健康への影響を与えることを示した
また、2012年に雑誌Lancetで英国の医師による研究が公式に発表され同じ結果が示された。
CTで頭蓋骨の検査を受けた患者は、白血病や脳腫瘍になるリスクが増加することが示された。
研究をおこなった著者達は、研究で癌の発生率の増加の原因は、低線量放射線による被爆であると考えを示した。
私たち医師は、核実験、ウラン鉱山、核廃棄物やチェルノブイリ原発事故や福島第1原発事故で原発が起こす核災害によって数十年にわたり人間の健康に対して影響を与えたことを私たち医師は常に責任を持ち全ての人たちに説明し警告していかなければならないと思う。