(ドイチェ・ヴェレ)
http://www.dw.de/fukushimas-radiation-victims/a-17488269
The residents of the evacuated Japanese town of Namie near the crippled nuclear plant in Fukushima were contaminated with radiation. They have now taken the responsibility for their health into their own hands.
《以下は暫定訳》
http://www.asyura2.com/14/genpatu36/msg/823.html
福島の放射線の被害者たち
福島の損壊した原発に近い浪江町から避難した住民たちは、放射線に汚染された。彼らはいまや、自分たちの健康に対する責任を自分たちの手で引き受けている。
去年の6月に死んだ犬の話をする時、フジワラ・ミナコ氏は今でも悲しくなる。
「犬は首の回りの毛が抜けて、皮膚が黒く変色した」と、56歳の彼女はDWに語った。1986年にチェルノブイリで発生した原子力の大事故の後でも、類似の症状が動物たちに見つかっている。フジワラ氏の一家は、損壊した福島第1原発の北9km(5.6マイル)に位置する浪江町を離れるよう命令された時、犬を置いていかなければならなかった。そのペットは恐らく高い放射線のために死んだのだろう。
フジワラ氏は高血圧を除いては、今のところ何の健康問題も経験していない。しかし、浪江の外科医・関根俊二氏は、放射線は最終的には人々の健康に負の影響を与えるだろうと考えている。
町を離れた約230人の家族が避難所で生活している二本松市での医療活動から、関根氏は3年前の原発事故からずっと、浪江町民の甲状腺の日常的な検査を続けている。
「子供や若い人たちは特に、甲状腺への放射性ヨウ素の取り込みに対して弱い」と、この71歳の医師はDWに語った。
ガン症例の高い数字
「包括的な研究は今のところないが、原発事故とガン発生の関連は私にも分かる」と、甲状腺ガンと乳ガンを専門にする、引退したその外科医は語った。症例が余りにも多すぎるとも付け加えた。
公式な数字によれば、2月初め以降、子供たちと10代の少年少女の約250,000人から33例のガンが確認されている。
これはつまり、居住者100,000人当たり13例であり、全ての年齢層を対象にした世界平均よりほぼ4倍高い数字だ。しかし、福島県はガンの有病率について関連性あるいかなる詳細も発表を拒否している。先述した子供たちのガン症例と汚染の度合いとの関連性について関根氏は情報開示を要請したが、当局者たちはデータ保護法を楯に回答を出さないままでいる。
しかし、日本における甲状腺の最高の専門家で県の保健アドバイザーである山下俊一氏は、この問題を軽視している。「更なる調査が私たちにはまだ必要であり、この問題についてどのような声明を出せるほど時はまだ熟していない」と、彼は語った。
沈黙する当局者たち
しかし、浪江町の人々に政府の支援を待つ気はない-国による報道管制の犠牲になるのも2度と御免だ。原発の爆発からわずか4日後、北西にある津島集落に避難命令が出された。このために避難民たちは目に見えない放射性の雲の中を通って移動することになり、結果として、家に留まっていたよりもずっと多くの汚染物質を浴びることになった。東京の当局者たちはコンピュータ・モデルからこのことを知っていた。しかし、彼らはパニックが広がるのを怖れ、沈黙を保った。
この経験がトラウマとなり、浪江は放射線の影響について可能な限り多量のデータを集めるようになったと、地元の保健監督者・紺野則夫氏は語った。「私たちは住民たちの身体の状況について適切にモニターできるようにしたい」と、彼は語った。発電所事業者・東電に対して補償を求める訴訟が起こされた場合に、裁判に持ちこたえるだけの証拠が必要だ。
浪江町が二本松の避難所にいる住民たちに、ホールボディーカウンターの導入を決めたのはこのためだ。40歳未満の全ての町民は、体内にあるセシウム134とセシウム137の量を計測するために、年1回この機器を使用することができる。これと比較して、政府によるこのサービスを提供は2年に1回だけだ。
「被害者に未来はない」
町の人口の約半数が検査への参加を拒んでいる。例えば、ヤマギ・カズエ氏は、21歳の娘が甲状腺検査を受けたがらないと語る。「福島を離れてから、娘はずっとテレビのニュースを見るのを避けている。娘は結婚するのも嫌がり、放射能の被害者に未来はないと言っている」と、ヤマギ氏はDWに語った。
この考えはたぶん、人が思うほど突飛なものでない。今日まで、広島と長崎の原爆の被害を生き延びた「被爆者」と呼ばれる人たちは、その子孫たちとともに日本の社会の隅に追いやられている。地元の保健監督者である紺野氏が、この災害の被害者たちに支援策をとるよう議会に求めているのはそのためだ。「浪江の人々もまた、自分たちを被爆者のように、つまり、放射線の被害者のように感じている。」
そのため、紺野氏は全ての住民に放射線パスポートを発行することにした。これは、広島や長崎で使われていたようなものだ。パスポートの囲み記事では、白血病のための医学検査を受ける必要性が説かれている。
浪江の若い住民3,200人から、2例の甲状腺ガンが確認されている。弘前大学の放射線専門家・床次眞司氏は、調査結果に驚いた。「結果は予想よりも多い」と彼は語った。この背景にある理由として、計測機器の精度の向上があるかもしれないと、彼は付け加えた。
この専門家は、甲状腺ガンの症例数はあまり多くならないとの仮説を立てている。その理由として、海岸に住む人たちはヨウ素を含む海草を摂取しており、そのため何らかの作用により、多くの若者たちの甲状腺は損壊した原発に由来する放射性ヨウ素の影響から守られると、彼は考えている。