このブログを検索

2013年4月6日土曜日

【労作】〔暫定訳〕AREX ROSEN博士「原発事故による福島の健康被害」


「原発事故による福島の健康被害」
IPPNWドイツ支部 AREX.ROSEN博士
3月28日.


在独邦人であるemi kiyomizuさん
https://twitter.com/kiyomizu5
による暫定訳。


IPPNWドイツ支部AREX博士の論文
「福島原発事故による健康への影響」

Gesundheitliche Auswirkungen der Atomkatastrophe von Fukushima

(注:PDF)
http://www.fukushima-disaster.de/fileadmin/user_upload/pdf/deutsch/ippnw_gesundheitliche_auswirkungen_Fukushima.pdf


4ページ (大気中への放射線降下量.)


4号機の大規模な爆発で,大気中に放出された放射線量(原子力発電所の外で測定した)は.毎時,最大値,10,85 mSv/hで,通常の自然界の放射線量の38000倍である.

原子炉2号機と3号基も,同様な放射線量が大気中に放出されている.

地震が起きた一週間後、放射線の線量は,(原子力発電所の外)毎時,1.930 μSv/h,であり,自然界の放射線量の約6000倍である.

オーストリア気象.地球中央研究所(ZAMG)は.核実験禁止条約(CTBT)のために設置されたモニタリングステーションのデータに基づいて,福島原発事故により,3月12日から14日の間に放出された放射線量は,360-390 PBq (ヨート゛131)
 約 50 PBq (セシウム-137.)と計算した.
(PBqは 1 X 10X15倍 100,000,000,000,000 である.)

これらの3日間で,ヨウ素131の放出量は、チェルノブイリ原発事故(1760 PBQ)で放出された約20%に相当する.セシウム137の総放出量は,チェルノブイリ(85 PBq)の60%である。

ノルウェー気象研究所( NILU)の研究で,福島原発事故で3月12日から19日までに,放出されたキセノン-133の総放出量は,約16.700 PBq (チェルノブイリで放出量は250%)であると発表している.

これは、膨大な放射線量が,放出したといえる.

キセノン-131の半減期は,5.2日であり.健康を害する原因になる.

さらに、NILUの科学者達は,3月12日から 19日までに,福島原子力発電所からの. セシウム-137の総放出量は.約35,8PBqと 計算した.(総放出量はチェルノブイリの42%である)


研究では、地震直後の、放射線放出量を示している.(津波によって原発が損傷する前に測定されている.)

地震が原因で,福島原発第1が,かなりの損失をしたと判断される.

NILUの報告書によると,原子炉4号機の冷却プールの火災が最大の原因であり,膨大な放射線が放出したと述べられている.

国際原子力機関(IAEA)の報告書では,福島原発事故による,大気中の放射線総放出量は, 840 PBqであると報告している.

日本政府の計算した総放出量の、ヨウ素131、セシウム137,キセノン133 はZAMGとNILUが計算した総放出量と類似している.

NILUによると、セシウム137の79%は北太平洋に降下したと推定している.日本の本州東部に約19%のセシウム137(640万MBq)が降下した.

西日本は、山脈により,放射線降下物から防護され,東京周辺,首都圏、本州の東北方面の広地域が放射線降下物により、汚染された。

約40キロの長さ,約20キロ幅の地域が特に放射能により高汚染された.


放射線セシウム137の残りの2%は、東に流れ,3月15日に北米,3月22日にヨーロッパに達した.


地震三週間後には,北半球のすべての気象観測所で,大気中の放射線量の増加が示されている.


4月には放射線粒子は、土壌,水(地下水,河川,池,湖など)に降下し、測定量は低減している.

1年後でも,福島第1原発からの放射線の放出は制御下されていない.

2012年1月27日に東京電力は,大気中の放射線セシウムの放出量は,毎時60 MBq,1日あたり1.440 MBqであると推定報告をしている.
(MBqメガベクレル.1×10X6ベクレル)

(表1:総放出量の推定量.)
(放射線核種) ( 総放出量の推定量〕 (期間) (比較.)

(ヨート゛-131) ( 360-390 PBq) (3月12日-14日)(オーストリア気象地球力学研究所.ZAMG)

(ヨート゛-131) (319 PBq) (3月12-15日) (東電)

(セシウム-137) ( 50 PBq) (3月12-14日) (オーストリア気象地球力学研究所.ZAMG)


(セシウム-137) (35,8 PBq) (3月12日 ? 4月20日)(ノルウェー気象研究所.NILU)


(セシウム-137) (30,3 PBq) (3月12日-15日) (東電)

(ストロンティム-89/90) ( 4,24 PBq ) (3月12日 - 15日) (東電)

(フ゜ルトニウム-238/239/240/241 )(2.500.000 MBq )(3月12日- 15日)(東電)

(キセノン-133)( 16.700 PBq)(3月12日 ?4月 20日)(ノルウェー気象研究所.NILU)

(キセノン-133) (22.300 PBq)(3月12日 - 15日 ) (東電)

参考。MBq。メガベクレル(1×10X6ベクレル)
PBq。ペタベクレル(1×10X15ベクレル)




6ペ-ジ.(土壌汚染)

2011年6月と7月に(文部科学省)は福島原子力発電所の周辺,80キロ半径内の100箇所で土壌調査を行い,

福島県,全てにおいて、様々な放射線物質が検出した.

核の溶解(メルトタ゛ウン)により,30種類以上の核物質が放出されている.

(ストロンチウム90):この放射線は28年間の半減期でベータ線を放出し,カルシウムに類似しており、骨組織に吸収し.数十年間.骨組織に留まる.


ストロンチウム被曝を受けた骨は,血液を生産する骨髄を損失し,白血病や他の悪性腫瘍を起こす原因となる.

文部科学省が調査を実施し,避難区域外,30キロの地域,西郷,本宮、大玉,小野で,1.8ベクレル/ kgから32ベクレル/ kgのストロンチウム90を検出している.

(ヨウ素131)8日間という比較的短い半減期で,汚染された食品などにより,甲状腺に取り込まれる.

ベータやガンマ放射線により甲状腺組織が破壊され,特に,子供達の甲状腺癌の原因となる.

国際原子力機関(IAEA)は,3月22日,23日に北日本で牛乳,飲料水,野菜から放射性ヨウ素,36.000 Bq/m2を 検出した.

土壌検査で,西郷、泉崎、大玉、白川.二本松市、、いわき市、飯舘村、小野、南相馬市
田村で2.000-117.0000ベクレル/ kgの放射線ヨウ素131を検出している.

文部科学省の研究者達が,福島第一から40キロ南西,小野地域での,雨水検査で,ヨウ素131,7440ベクレル/ kgを検出した.

2011年6月でも、上記の地域は,ヨウ素131が,まだ,200ベクレル/ kg以上である.

最も汚染された地域は浪江や飯舘村で,土壌放射線量は1.100 Bq/kgから1.300 Bq/kg である.(ヨウ素131の半減期は8日間であるので,これだけの放射線量が測定できた)

3月15日から9ヶ月後でも,極めて高い初期の土壌汚染がされているという事は,他の地域においても,この期間中に,放射線ヨウ素131で高汚染されている.

(セシウム137):放射腺セシウム137は,半減期は,30年間であり,吸入すると,カリウムに類似しているので、体全体に比較的均等に分散される。

セシウムは主に,ベーター腺で、ガンマ線と同じように,崩壊生成物バリウム137を生成する.

そして,事実上,各臓器に,腫瘍ができる原因になる.

セシウム137は生物学的に,半減期は70日間で,カリウムに似ており,尿によって排泄される.

体に蓄積されると,膀胱と隣接した子宮が被曝し、妊娠している場合,胎児に影響を受ける.

2011年5月,フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は,20キロ避難地域の外に、約874平方キロメートル が放射腺セシウムで汚染されたと報告している.

IRSNは,チェルノブイリの原子力発電所周辺の避難地域と同じように, 600.000 Bq/m²以上の放射線量で汚染されたと推定している.

土壌検査によって,福島原発の北西では,30.000.000 Bq/ m²(3千万ベクレル)まで汚染され,近県では,10.000.000 Bq/m²(1千万ベクレル) まで,汚染されている.

2011年4月,文部科学省の科学者達は,飯舘、川俣、奈目,葛尾,二本松の30箇所での,土壌サンプル検査で,30.000 Bq/kg から220.000 Bq/kg までの放射線量(セシウム-137)を検出した.

2011年8月には,より高い, 420.000 Bq/kg の放射線量を検出している.

 IAEO によると,3月22日から23日までに,340 Bq/m²の放射線量が東京に到達したと発表している.


また、牛肉、米、牛乳、魚、飲料水などに,高い放射腺セシウムが発見されている.




p8.(海洋汚染)

原子炉を冷却するために,膨大な水の量が必要になり。事故の初めから,連続的に大量の汚染水が海に排出された.

これらの汚染水は土壌・地下水にも浸透し、大気中にも蒸発している.

日本政府の公式発表によると,東京電力は4月4日から10日までに,10.393 トンの放射線汚染水を海に排出した.

東京電力が初期、海へ廃水した,汚染水の総放射線量は,4,7 PBqと推定する.

日本原子力機関(JAEA)と京都大学の科学者達が推定した,福島第1原発からの海洋の放射線降下量15 PBqについては,東電は無視している.

IRSN(フランス放射線防護原子力安全研究所)は,海洋の総放射腺量は27 PBq と推算している.

福島の原発事故は,史上最高の放射線による海洋汚染と言える.

IAEAは,地上核実験と、福島原発事故と,チェルノブイリ原発事故の放射線降下物と,Sellafield とLa Hagueの核再処理工場からの放射腺が,海洋の放射能汚染の主な原因であると報告した.

IAEAとドイツ原子炉安全協会(GRS)は,福島原子力発電所の近くの海水の測定を行ない,1リットルあたりの 放射腺ヨウ素, 130.000 Bq/L,放射腺セシウム.63.000 Bq/Lを検出した.

福島原子力発電所周辺の、土壌サンプルの検査で,放射線セシウム910ベクレル/ kgを検出した.

日本原子力産業協会(JAIF)は,福島第1原発の近海での,ヨウ素131の放射線量は, 許容される規定量の2億 7千5百万倍であると発表している.

海岸から28km離れた海洋では,チェルノブイリの、海で測定された放射線量よりも,はるかに高かった.

日本の海岸から60kmの海の水面や深海でも,1リットルあたりの放射線量100 Bq/Lを検出した.

2011年7月に、日本の沿岸の海水のセシウム137の測定した放射線量は,2010年に比べると,1万倍も高かった.

福島原子力発電所の北東海域は世界で最も重要な漁場の一つである.

日本漁業の約半分がこの地域で行われている.茨城県の魚,海洋生物は,放射線量が高く、放射性廃棄物として処理しなければならない状態である.

環境上,海に排出した、放射腺汚染水(核廃棄物)は,薄められ,食物連鎖の影響を減少させると,普通考えられているが,しかし,放射線は,薄められても消滅しなく,広大な面積に拡散されることを忘れてはならない.


* 2つの危険な理由がある.

太平洋の放射腺汚染により,多くの人々が健康の影響を受け,安全といえる,最小限の放射線値は無いのである.

どんなに低腺量でも,(水や食品を通じて)癌を引き起こす原因になる.

第二に、魚に放射腺が濃縮されると,人間にとって,食物連鎖が拡大する.

例えば、2011年,3月から9月までに,太平洋北部で水上げしたた鯛の放射腺量(セシウム)が増加しており,9月15日には,670 Bq/kgの放射線量 を検出した.




P9.(汚染された食品と水.)

すでに述べたように、食品や飲料水に対して安全といえる、放射線の規定値は無い.

低線量でも,遺伝子変異や癌を引き起こす原因になる.

ドイツ原子炉安全協会.GRSは,食品や飲料水の摂取による,内部被曝規定値は,年間, 0,3mSvと決めている.(健康の危険性を回避するために,食物や水の摂取を通して,許容される放射線量)

子供のミルクや離乳食において、(放射性セシウム137)kgあたり8ベクレル/ kgの放射線量を超過してはいけない.

又,他のすべての食品においても,16ベクレル/ kgを超えてはいけない。

日本では、放射腺セシウムの規定量は,ミルク,離乳食では200ベクレル/ kg、他のすべての食品では500ベクレル/ kgである.

放射性腺ヨウ素の規定量はミルク,離乳食において300ベクレル/ kg、野菜では2000ベクレル/ kgである.

福島原発事故は,日本の食物と飲料水が汚染された原因である.

国際原子力機関(IAEA)によると、地震1週間後、茨城と福島での,ほぼすべての野菜や牛乳サンプルから,食物や飲料水の規定値より高いヨウ素131,セシウム137を検出した事を報告している.

原発事故の後,数ヶ月でも,特定の食品において,まだ高い放射線量を検出している.



(果物と野菜)

文部科学省の調査で,事故1週間後に,福島県の避難区域外の,飯舘、川俣,田村、小野、南相馬、いわき市.月館、二本松市、白河、郡山、大玉,泉崎,西郷では,汚染された野菜のヨウ素131の放射線量は,2.540.000 Bq/kg ,セシウム137の放射線量は2.650.000 Bq/kgを検出した.

メルトダウンの1ヵ月後,一部の地域では、放射線ヨウ素131の放射線量100.000 Bq/kg 以上,放射線セシウム137の放射線量は900.000 Bq/kg以上を検出した.

福島の原子力発電所から南に100km離れた茨城県では, ホウレン草の,ヨウ素の放射線量は54.100 Bq/kg ,セシウムの放射線量は 1.931 Bq/kgを検出した.

他の野菜サンプルで,すべてのマスタードは,ヨウ素131,1.200 Bq/kg の放射線量を検出している.

パセリでヨウ素131は12.000 Bq/kg ,セシウム137は110 Bq/kg ,しいたけでは, セシウム137は8.000 Bq/kg を検出している。

レタス,玉ねぎ,トマト、イチゴ、小麦,大麦などは,低線量を検出している.


(ミルク):3月20日にIAEAは,福島県で初めてミルクから放射性ヨウ素131とセシウム137が検出されたと警告している.

(牛肉):福島県,栃木、宮城,岩手県の牛肉中に高い放射腺量が検出され,販売は禁止された.

(米)福島県庁は,大波地区の米から,セシウム放射線量1050ベクレル/ kgを検出した.

(飲料水):国際原子力機関(IAEA)は,3月17日から23までの調査で,福島県、茨城、栃木、群馬、千葉、埼玉県での,飲料水中の放射線ヨウ素131が規定値以上を検出したと警告している.


東京北部でも, 水道水から(放射線ヨウ素131)1リットルあたり,210 Bq/Lを検出している.


(魚.貝類)福島原子力発電所の近海の魚や貝類で, 500 Bq/kg から1.000 Bq/kgまでの放射線量(セシウム)を検出した.


2011年4月に,農林水産省は,イカナゴから 12.000 Bq/kgの放射腺量(ヨウ素,セシウム)を検出した.


フランスのACROアクロ研究所の実験室で,20km避難区域外の海の海草から10.000 Bq/kg 以上の放射線量が検出されている.

海草サンプルの放射線量は,ヨウ素131は127.000 Bq/kg ,セシウム134は 800 Bq/kg  , セシウム137は,840 Bg/kg を検出した.

(お茶):静岡県庁は.福島から約400キロ離れた,静岡の茶葉から,放射性セシウム137.kgあたり679 Bq/kg 検出されたと報告している.

2011年6月に,フランスで(日本で精製された)放射線汚染された緑茶が発見された.



11ページ (飯舘村の状況)

福島原発事故で飯舘村の子供は1日あたり0.4ミリシーベルト被爆している.5ヶ月後でも1時間あたり,空気中16マイクロシーベルト/ hの放射線量を検出した.

飯舘村の土壌サンプルからセシウム.227000ベクレル/ kg、ストロンチウム.32ベクレル/ kgが検出された.

90日後でも爆発で降下した,空気中の放射線量は30-95ミリシーベルトである,自然界の放射線量の260倍であり.胸部X線レント ゲン(約0.02 mSv)の1500倍から4750倍の放射線量である.妊娠中の女性、子供には特に危険である.

飯舘村の野菜は、(ヨウ素131)250万ベクレル/ kg、(セシウム137).260万ベクレル/ kgの放射線量で、汚染されていた.

住民は汚染された食べ物や飲み物により内部被爆する.

飲料水は965ベクレル/リットル放射能汚染されていた.

飯舘村と隣接する4つの村が避難した.5月末には避難はほぼ完了している.

飯舘村の人達の健康影響に関する疫学的調査について,今までに,何も公表されていない.



12ページ (健康影響)

福島の原発事故による健康への影響を議論することは、非常に重要である.

高放射線量の影響を受けた福島原発の労働者や救助隊員の被爆量に基づいてリスクの状態は異なる.

日本原子力協会JAIFは,福島第1原発内で,1.000mSv/ h放射線量を測定している.

このような,高い放射線量に、数時間さらされると致命的である.

8月1日。原発事故5か月後でも,福島第1原子力発電所内は10ミリシーベルト/ hの放射線量であった.



(緊助隊員と原発労働者.)

福島原発事故の片ずけや除染の為に働いた労働者や救助隊員8300人の内、111人の労働者が100mSv以上の放射線量にさらされていたことを7月に東京電力は発表している.

数人は678ミリシーベルト被爆している.
(日本原子力産業フォーラムから)

いくつかの原発下請け会社が個人線量を隠蔽するため,人為的に低い被爆量にするため,個人線量計に鉛付きシールドを着けるよう強制したと報告されている.実際の被爆量は,もっと高い.

ネイチャーの記事では167人の労働者が100ミリシーベルト以上の被曝をしたと報道している.

汚染食品の摂取,放射線粉塵の吸入は,病気につながる.

昨年.福島原発の労働者6人が死亡したが死亡の原因は,東電は明らかにしていない.



(汚染された地域の住民)

複数のメルトダウンが明らかになり,日本政府は20万人に避難を命じた.(約600平方キロメートルの面積)

原発事故2ヶ月後でも,避難区域外で高度に汚染された地域に,9500人の子どもを含む7万人の人達が住んでいた.

IAEAは避難区域外で,1時間あたり,16-115μSv/hの放射線量を測定している.

IAEAは、原子力発電所から30キロから32キロの地域での総放射線降下量は,1mあたり,380万から490万ベクレル/mを推定している.

2011年4月の独自の土壌検査で2 μSv/h の放射線量を検出した町は,二本松、田村、相馬、南相馬市である.

福島市と葛尾は1時間あたり,5マイクロシーベルト/ h以上,川俣と広野は10マイクロシーベルト/h.浪江は50 μSv/h 以上.飯舘村は100 μSv/h 以上検出されている.

2011年8月、福島原発事故の4ヶ月後、文部科学省の科学者たちは,1時間あたり,浪江で34 mSv/h,飯舘で16 mSv/h.葛尾で17,5 mSv/hまでの放射線量を検出したと報告している.
(注意,IAEAの報告と比較してみると文部科学省は過小報告している)

フランス放射線防護原子力安全研究所IRSNは、被爆した70,000人の外部被ばく量は,最初の年は200msv,生涯において4 Sv になると予測している.

このIRSNの報告には,汚染された食べ物、空気や水による内部被曝は含まれていない.

福島における,4400人の年間被爆量は1ミリsvと推定される.この線量は,チェルノブイリ原発周辺の汚染度の高い地域の住民の(約60%を占めている)被爆量である.


IRSNは、これらの地域から,人々が緊急に避難することが放射線被ばくの低減になると結論している.



(文部科学省2011年4月のデータ.文部科学省の科学者による年間被ばく線量の推定.)

葛尾の一人当たりの被爆量は年間235.4msv.南相馬市では年間15.6msv.

福島原子力発電所から55km離れている福島市や郡山市の、一人当たりの被爆量は被爆量は年間10ミリシーベルト以上である.

日本での自然界の放射線量は,年間1.48ミリシーベルトである.

2011年4月,日本の保健省(注:厚生労働省か?文部科学省か?)は,原発事故発生後、これらの都市の住民が、通常の自然界の放射線量の6倍から160倍以上被爆したと計算している.

2012年5月、WHOの最初の報告書では,原発事故後の初年度,福島県の住民は1msvから50 mSv被爆し,近県の住民は0,1から10mSv 被爆したと報告している.

これらの計算では、成人・小児・幼児の被爆量の差が明らかにされていない.

又,フランス放射線防護原子力安全研究所IRSNや文部科学省の放射線排出量と汚染率ははるかに低く計算されている.

原子力発電所から20キロメートル地域の水道水の放射能汚染も明らかにされていない.

被ばく線量を計算する際に、(生物学的にも、物理学的にも)子供と大人の違いが考慮されていない.


*日本の文部科学省によって,放射線検査をする食品サンプルは,非常に選択範囲が狭く,低い放射線量が発表されている.

*全体的に見て,実際の放射線量より,過小評価されている.


2011年3月23日、日本の原子力安全委員会は,1歳の子供が(放射性ヨウ素131)甲状腺に吸入した線量は100~1000msvだろうと推測している.

他の県の住民は1msvから10 mSv,いくつかの地域は浪江のように,甲状腺線量が100ミリシーベルトまで達している可能性がある.

WHOははるかに低い放出量と汚染率を計算している.

WHOの報告書では、20キロ地域から避難した人達は,放射線ヨウ素の影響はないと無視している。

*これらの人々の甲状腺線量の計算をする事が、特に重要である.
放射線を防護する,ヨウ素剤は、この人達に配布されていない.



(汚染食品の摂取による影響.)

福島の原発事故により,海が最大に放射能汚染された.

汚染された米,地下水,飲料水,高汚染された食品を1年間接収すると,放射能はヨウ素131,ストロンチウム90,セシウム137が体内に蓄積される.

汚染されたのは,日本だけでなく,北太平洋の国(アメリカ,カナダ)、隣国(韓国,中国)の製品まで汚染され,その国の各市場や各スーパーマーケットで販売された.

文部科学省の調査では,福島原発事故1ヶ月後の汚染された野菜の放射線量は,ヨウ素131は10万Bq / kg,セシウム137は900.000 Bq/kg 検出している.

野菜の外部放射線量は1時間あたり,10~30シーベルト/ hである.




P14.(放射線量の計算)

Alpha

2010年、欧州委員会は,原子力事故による,放射線の内部被ばくは癌を発生する原因になると発表した.

成人が,これらの,高汚染された食品を500g摂取すると,体内の内部組織に,(ヨウ素131)は10万ベクレル/ kg,(セシウム137)は90万ベクレル/ kg,蓄積し,約34.8ミリシーベルトの内部被曝になる.

前述したように,食品の摂取で,内部被曝で認められている線量は通常,年間0.3ミリシーベルトである.

これらの汚染された食品を500グラム摂取すると,、年間の内部被ばく量は,通常(内部被曝の規定量)の100倍以上になる.

1歳から14歳までの子供たちは,大人に比べると,2倍(内部被曝)の影響を受ける.


乳児や胎児は、放射線で汚染された食品が原因で,身体に,より危険な影響を受ける.


(表4:子供達が汚染された食品を500g摂取した場合の内部被曝量.)

(汚染食品.飲料水)(500g汚染食品)(放射線降下量)(放射線の種類)(1歳以下の幼児の内部被曝量)(1歳-14歳迄の子供の内部被曝量)

1: (2011/3月福島の野菜の放射腺量)(500g )( 2.540.000 Bq/kg)(ヨウ素-131 )(1歳以下幼児のヨウ素内部被曝量 698,5 mSv)(1歳-14歳迄の子供の内部被曝量279,40 mSv)

2: (2011/3月福島の野菜の放射線量) ( 500g )(2,.650.000 Bq/kg )(セシウム-137)( 1歳以下幼児のセシウム内部被曝量424 mSv )(1歳-14歳迄の子供の内部被曝量172,25 mSv)

3: (2011/4月福島の野菜の放射線量)(500g)( 100.000 Bq/kg) ( ヨウ素-131)(  1歳以下幼児の内部ヨウ素被曝量27,50 mSv)( 1歳-14歳迄の子供の内部被曝量 11 mSv)

4: (2011/4月福島の野菜の放射線量)(500g )(900.000 Bq/kg )(セシウム-137)( 1歳以下幼児のセシウム内部被曝量144 mSv )(1歳-14歳迄の子供の内部被曝量58,50 mSv)

5: (2011/3月茨城のほうれん草の放射線量)(500g)( 54.100 Bq/kg )(ヨウ素-131 )(1歳以下幼児のヨウ素内部被曝量14,88 mSv )(1歳-14歳迄の子供の内部被曝量5,95 mSv)

6: (2011/3月茨城のほうれん草の放射線量)(500g )(1.931 Bq/kg )(セシウム-137)( 1歳以下幼児のセシウム内部被曝量0,31 mSv)(1歳-14歳迄の子供のセシウム内部被曝量0,13 mSv)

7: (2011/11月福島の米の放射線量)(500g)( 1.050 Bq/kg )(セシウム-137 )(1歳以下幼児のセシウム内部被曝量0,17 mSv)( 1歳-14歳迄の子供のセシウム内部被曝量0,07 mSv)

8: (2011年3月20日.飯館の飲料水の放射線量)(1リットル)(放射線量965 Bq/lL) (ヨウ素-131 )(1歳以下幼児のヨウ素内部被曝量0,53 mSv)( 1歳-14歳迄の子供のヨウ素内部被曝量0,21 mSv)

9: (2011年3月23日東京の飲料水の放射腺量)(1 リットル))(放射線量210 Bq/L)(ヨウ素-131)(1歳以下幼児の内部ヨウ素被曝量 0,12 mSv )(1歳-14歳迄の子供のヨウ素内部被曝量0,05 mSv)

10: (2011年9月に水上げした鯛の放射線量 )(500g )(放射線量670 Bq/kg) (セシウム-137)( 1歳以下幼児のセシウム内部被曝量0,11 mSv)( 1歳-14歳迄の子供のセシウム内部被曝量0,04 mSv)





P15 P16 (健康への影響を過小評価)

米国国立アカデミー.放射線の生物学的影響に関する諮問委員会(BEIR)は,低線量被曝による健康のリスクを計算してを公に発表した.
(BEIR 報告VII) 癌のリスクを数字で表した.

BEIR委員会は, 人体組織における放射線の影響は,
(放射線1 Sv 被曝すると,10人の内,1人が癌になり.)(100 mSv被曝すると .100人の内,1人が癌になり.)(10 mSv の被曝で,1000人の内,1人が癌になる)と考えた.

これらの例は、統計的に,低線量被曝でも,癌になる危険性が高いことを明らかにしている.

低線量被曝は,高線量被曝と同じように,癌になる高い危険性を持つ.

科学的または政治的に決められた放射線規定量において,どんな低い放射線でもリスクがあり,癌になるリスクが無いとは,もはや言えないのである.

各国では,リスクにおいて,異なった評価をしている.

例えば,いくつかの国,では,ヘルメットなしで自転車に乗るのが,許可されている.だが,他の国では、ヘルメットなしで自転車に乗るのは禁止されている.

放射線規定量は,政治的に判断され,決められており、科学的,医学的には考慮されていない.

チェルノブイリ原発事故後の研究で,100mSv以下の放射線被曝は,癌になる可能性が高いと示された.

放射線は,体に残り、,内臓を損傷し,被曝が原因で,数年で癌になる可能性が高まる.

国際癌学会誌の調査で,チェルノブイリ事故後,放射線の影響により,41000人が癌になり,15,000人以上が死亡するだろうと公表している.

1986年の原発事故後,奇形、遺伝子異変、不妊,死産など,増加している。


さらに、最近の多数の研究から,チェルノブイリ事故の影響を受けた人々,事故原発の片ずけをした労働者(清算作業員)で生き残った人たちにおいて,癌以外の病気の発生率の増加が証明されている.

チェルノブイリ原発事故の後片ずけで,働いた80万人の労働者の内10万人以上が既に死亡している、平均年齢は、43歳であった.

チェルノブイリ後の癌の発症率の計算をした( linear)リニアモデルを使用し,放射線降下量を基にして,福島の被災者の癌の数を推定できる.

フランス放射線防護・原子力安全研究所 IRSN は,事故後,最初の年,避難区域外の高汚染された地域の,70000人の人達の,総被曝量は200 mSvである と計算した.

この高汚染地域で,事故後,初めの年に居住していた人は,BEIRモデルによると,2%の癌リスクであると推算できる.


*放射線の原因により,これらの人達(高汚染地域に,住んでいる人達)は,一年以内に、約1400人が癌になると思われる.
放射腺粒子の吸入による内部被曝の影響は含まれていない.

*又,これらのモデルは,放射腺に敏感な子供,大人の免疫不全については考慮されていない.


WHOの調査によると,20キロの避難地域から,避難した人達は,最初の年に放射線量1~50 mSv 被曝したと計算している.



放射線の経口吸入による内部被曝は,まだ,推定できない.

又,福島原子力発電所から放出された放射線による,癌や死亡推定は時期的に可能でない.

東京電力によると3月19日から9月30日の間に,さらに,放射線ヨウ素131,11 PBq ,放射線セシウム 7 Pq を放出している.

1号機から3号基は,放射腺が地下水に浸透し,汚染されないために,続いて約535200リットルの水で冷却しなければならなかった.


東京電力は,2012年1月の終わりまで,一日あたり,放射腺セシウム1.440 MBqを大気中に放出している.


放射線リスク。
健康アドバイザーの山下俊一教授は「年間100ミリシーベルトでも,統計的に癌疾病は現れない」と主張している。
この主張に対しては、非常に懸念する。

どのような統計があるのか?山下氏のそういう理論は、実在しない.

100 mSv 被曝すると,100人の内,1人(1%)が癌になると言うようなことは,意図的な欺瞞であり 統計的に有意ではない.

このような欺瞞的な説明より,どのくらいのリスクを 許容することができるか,社会的な議論をする必要がある.

もし,山下氏と日本当局が,癌リスクが1%だと主張するなら,(背後に隠れて)原発労働者の基準値と比較するような事をしないで,彼らは明確に,その理由を示さなければならない.



子供は、原発労働者ではない. どんな医者でも,子供や妊婦に対して,上半身だけで0.02ミリシーベルトのX線検査を,故意に強制する権利は誰も無い.

放射線の影響により,どんなに低線量被曝でも,癌になる危険性を持っていることは,確実である。


山下氏は,年間100ミリシーベルトの被曝でも安全だと主張しているが,100 mSv は約500回のレントゲンX線検査を行ったことと同じである.

どんな放射線科医も,500回のレントゲンX線検査が健康に対して危険はないと発言しない.

日本政府の福島原発事故調査委員会の公式報告書でも,同じように書かれている.



低線量被曝よる長期的な健康影響について,一般的に認められている規定量は無い.

国際的には,リスクは線量に比例して,高くなっている.


放射線の健康への影響は,各個人により異なり,年齢にも関係する.そして.他の大部分は未知である.

日本政府は原発事故発生後、住民に対して,一方的に規定線量を決め,正確な情報を提供しなかった.

又,日本政府は,健康影響に関係する線量について,放射線の影響は,個人によって,どのように違うか,又,放射腺から人々がどのように防護するか等の質問に対して回答もしていない.




P17 (子供達に対しての特別な危険性)

すでに述べたように.子どもたちにとって,放射線による健康への影響は最も大きい.

子供は,大人よりも、放射線に晒される.彼等は,家の外で遊ぶ時間が多く,土に触れたり,砂を掘ったり,砂浜で遊んだりする.

乳児は、これ以外に,床に見つけた物を口の中に入れる傾向がある.


2011年5月、文部科学省は,幼稚園,学校,保育所(今までに土壌検査されなかった地域)の土壌検査決果を公表し,1.200 Bq/kg.(ヨウ素131)を検出したことを報告している.

1番高い放射線量は伊達市の小学校で,ヨウ素131は6.800 Bq/kgで,セシウム137の土壌濃度は620 Bq/kg から 9.900 Bq/kg.が検出されている.

子供達は,生理学的に、放射線に対して敏感であり,より健康被害の影響を受ける.

また,子供達は体重より.皮膚の面積が大きく,皮膚に放射線が浸透し,大人より,影響を受ける.

小児における放射線物質の吸入は,内部被曝を高めることになる.

彼等の激しい代謝作用は細胞組織の破壊率を高める.

そのため、子供達は遺伝子異変の危険性があり,大人に比べると統計的に,癌になる可能性が高い.

子供の免疫組織がまだ十分に発達しておらず,細胞修復メカニズムが不十分であり,細胞組織の突然異変を守ることができない.

臍の静脈を通し子宮内の胎児が被曝したり.又,放射線により,膀胱が被曝する可能性がある.


放射線は母乳にも影響している.

福島原発事故後,2011年4月19日に.日本政府は子供達に対しての被曝量を, 年間20ミリシーベルト(3,8 μSv/h)に規定した.

原発事故後.放射線(ヨウ素131)は,子供達にとって,癌になる最も重要な原因の一つである.

ヨウ素錠剤の服用で,放射腺ヨウ素を防護することができる.

福島原発事故当日に,避難者達に,放射腺ヨウ素を防護する為の,放射腺ヨウ素を防護するヨウ素錠剤は、公に推奨もされなく,配布もされなかった.

2012年5月のWHOの公式報告で.避難者達は,ヨウ素錠剤を服用しなかったことが,確認されている.



P18.

2012年6月,事故調査委員会の報告書で,チェルノブイリの経験を通して、ヨウ素錠剤を服用しなかったことは,避難者達は,将来,多数の甲状腺癌が発生することになる原因になると提示している.

原子力緊急事態の時、ヨウ素錠剤の服用することは,完全に知られているが、福島県当局は、市民に正しい助言をしなかった。

2011年3月末、広島大学の田代聡教授の率いる科学者達は、いわき市、川俣、飯館の0才から15才までの子供たち1149人の甲状腺の検査(放射線ヨウ素131の影響)をしている。 その結果、1080人の子供達(44.6%)が、甲状腺に、35 mSv まで、被爆をしている事が示されている。 2011年8月13日に、日本小児科学会が検査結果を提示しているが、まだ、今だに、公表されていない。


2011年10月、福島医科大学は、被災地域に住んでいる子どもたち36万の甲状腺検査を開始した。 大学は、2014年末には、全ての甲状腺検査を完了することを望んでいる。(日本の原子力産業フォーラムによると、甲状腺検査は20歳まで、1年に2回の、検査が必要であり、20才から人生の終わりまで、5年ごとの検査が必要であると決められている。)しかし、これは日本では、守られていない。  2012年4月26日、福島県において の健康管理調査で、0才から18才までの38、114人の子ども達の甲状腺検査結果を発表した。 その中で、184人の子供(0.5%)は、5mm以上の甲状腺結節が見つかり、202人の子ども(0.5%)は、5mm未満の甲状腺結節が発見されている。 13398人の子供(35.1%)が甲状腺嚢胞が発見されている。  子供達において、これだけの甲状腺異常があることは、普通ではない。  2000年の長崎の子供の甲状腺研究で、250人の子供の内、たった2人だけが甲状腺嚢胞が見つかり、甲状腺結節は発見されていない。


 チェルノブイリ原発事故の放射線の影響により、ベラルーシのゴメリの子供達においても、甲状腺結節が福島と同様に高い率を示している。(19.660 人の子供の内、342人が甲状腺結節であった。)  

このような、異常な状態は、福島の甲状腺異常の発生率の増加は、放射線の原因であるか問い、よりさらに調査を求めるべきである。

山下俊一は、99.5%の調査に関与し、今後数年間、甲状腺検査の必要は無いと述べている。

放射線セシウムは、子供たちに対して、より健康被害をもたらす。 2011年11月に、南相馬市の1500人の子供達の尿検査を実施し、尿中に20-30 Bq/Lのセシウムを検出した。そして、1歳の男の子は、放射線セシウム187 Bq/Lを検出している。

これらの調査で、子供達が高い放射線量を吸入したことが示されており、セシウムが体内に残り、事故8ヶ月後の尿検査で検出されたのである。これ以上の内部被曝は許されるべきでない.



P19.(見通し)

科学雑誌「Peer-Review」 は、今日までに、福島の健康への影響の疫学研究はしていないと、発表している。実際に影響を受けた人達が、実証できる科学的データもない。

既存のデータで福島原子力事故による、健康への影響を推定することは、不可能である。

2012年5月に、WHOが、福島原発事故による、被災者の放射線被ばくに関する調査発表をしたが、科学的には、過小評価している。

WHOの報告書は、食品サンプルの選択には疑問があり、日本の科学環境省が発表した、食品検査の放射線量を引用してるのみである。

これは,内部被曝の過小評価につながる.

また,WHOの報告は,破損した福島原発から放出された放射線の推定量は,日本の独立した研究機関、と東京電力によって示された放出量より以下であった.

WHOの報告の中で,専門家達が最も批判している重要点は,事実である.

WHOの報告書の作成者は,主に原子力産業と密接な関係を持っていると言われている国際原子力機関(IAEA)のメンバーと日本の原子力規制当局のメンバーで構成されており,彼等達が一緒に報告書を作成している.

原発の批評家から,WHOの報告を批判する声は無い.

独立した科学的根拠のある報告では無く,その代わりに、このような原子力ロビー(推進派)によって,WHOの報告書は作成された.

彼等達の関心は,原子力事故の影響を軽視することである.

低線量の影響,今後数十年の健康への影響,又,将来の世代に予想される健康への影響を知る為に,独立した包括的な疫学研究が,緊急に必要である.

福島原発事故において,安全性に対しての意識が欠如している,原子力産業と原子力規制当局に影響されず,又,東京電力,政治家,原子力産業による,緩い安全基準に対しても影響されない,完全に自由である調査が必要である.



結論は次のとうりである.

日本の原子力規制当局は、国際的な安全基準を無視することは止めなければならない.

政府と、原子力エネルギーを推進した経産省や電力会社からの独立性の必要。

彼らは原子力の安全性を考えるための専門知識に欠如している.

チェルノブイリと同じように、福島原発事故も,今後数十年内に完了することができない.

短命の放射線ヨウ素も,長期存在するセシウム137.ストロンチウム90の放射線も人間の生活にたいして,数十年にわたり危険である.

福島原発事故は,1986年のチェルノブイリ原発事故の半分以上のCäsium-137を放出しており,まだ,継続して放出している.半減期もまだ30年に達していない.

その他に,悪性腫瘍の潜伏期間や、全ての健康影響について,検討する必要がある.

事故調査委員会は原発事故の被災者についての見解で,原子力産業とIAEAは、原発事故による人々の健康影響について,ほとんど影響がないと発表しているが,非科学的であり、非常に不道徳である.





P20. (結論)

*福島第一の原子力発電所の損傷は,マグニチュード9.0の地震が原因で起こり,放射腺核物質が大量に放出した.続いての損傷は,その後の津波によって引き起こされた。

核燃料の熱上昇原因によって電力が完全に停止し、1号機,2号基そして3号機の原子炉とともに4号機の冷却フ゜ールのメトルダウンを引き起こした。

1号機から3号機の原子炉と4号機の冷却フ゜ール内の爆発からの爆火による煙、と並びコントロールされた原子炉内圧力抜きの際、そのための多量の冷却水蒸気が発生し,30種類以上の核放射腺物質が大気中に排出している.

ほとんどがヨウ素131,セシウム137であり,ストロンチウム90、キセノン133、プルトニウム239、とその他24種類以上の放射腺物質が福島の地域に降下している.


*福島原発事故の最初の3~4日でヨウ素131の総放出量は,チェルノブイリの総放出量の約20%に相当する.

福島原発事故の最初の3~4日でセシウム137の総放出量は,チェルノブイリ原発事故の総放出の約40から60%に相当する.


Anderungen ruckgangig machen

Alpha


*福島原子力発電所から放射腺汚染水が排出され,海や地下水が放射線汚染された.
福島原発事故による汚染水の排出は,約15~27 PBq であり,最大の海洋汚染を表している.(ペタベクレル PBqは1×10X15ベクレル)
汚染水の排出は,原子力発電所周辺地域の汚染を減少する可能性があるが,長期間存在する放射腺が大きく分散され.人々にとって,より大きな危険にさらされることになる.


*放射線降下物は、主に北太平洋(79%)に降下し,降下量の約19%は,本州の東半分と、東京の各都市に降下している.
1,000 km以上が放射線によって,汚染された.

*約20万人の人達が、無期限に彼らの家を去ることを余儀なくされ,原子力発電所から20km地域は,避難させられた.

*避難地域外の約70,000人の人達が高汚染された(870 km2 )地域に残された.
この人達は,通常の自然界の放射線よりも100倍も高い放射線(外被曝)にさらされた.

癌やその他の疾病(放射線の影響により)が発生するリスクは、放射線被曝量に比例して増加する.

低量の放射線でも、体内組織の損傷と遺伝的異変を引き起こす可能性がある.(健康に影響のない)低線量の規定値は,現在も存在していない.


*原発事故の影響を受けた地域では,全ての果物,野菜,(汚染された土壌の草を食べた動物の)肉から放射腺が検出された.

首都圏でも、ミルク,茶,水道水から放射線が検出されている.

汚染された野菜を,たった500グラム食べるだけで,内部被曝される.

これらの汚染した野菜を500g摂取すると,成人では,年間放射線規定量の100倍(内部被曝)の影響を受け.子供にとっては200倍(内部被曝)の影響を受ける.
(年間規定量が1mSVであれば大人は100mSVの内被曝になる。子供は200倍の200msvになる)


*北太平洋で捕獲された魚や魚介類の1部分は、高度に汚染されていた.

動物に放射腺濃縮(蓄積)され.高い食物連鎖が起きている.

放射線濃縮により.海洋動物や海洋生物が長年にわたって放射線汚染されることになる.



*子供達は,特に放射線の影響を受ける.
子供達の体は,放射線に敏感であり,彼等の習性から,高線量の被曝にさらされることになる.

政府は,子供達が許容する放射線量を年間20ミリシーベルトに規定した.

原発事故当時に,ヨウ素錠剤が配布されたなら,福島県の子どもたちは,高い放射線に被曝させられることはなかった.



*原子力事故による健康への影響を的確に推定することは,データが少なく,時期尚早である.

人々の健康への影響を知るため,大規模な疫学研究が必要である.


*研究は,東京電力、日本原子力研究開発機構、原子力産業,国際原子力機関(IAEA)これらに関係する機関と関係のない,独立した研究グループによって行われることが重要である.


*原子力産業の科学者達は,健康への影響は,全く無いと強調しているが,彼等は,非科学的で非倫理的である.

やきとりのいない八月

飛び地A

ブログ アーカイブ

The Daily Star(レバノン)

Rudaw(イラク)