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2013年2月23日土曜日

「低線量被曝に関する国内調査結果」に当てはめて計算した場合に癌で病死することになる福島県民の数


☆低線量被曝症状は増えている
(ずくなしの冷や水。2011年08月31日)

http://inventsolitude.sblo.jp/article/45666692.html

8/1、参議院復興特別委員会で自民党の古川俊治議員が放射線影響協会の資料を示し、低線量被曝の国内調査結果が存在すると主張。この資料は、文科省の委託を受けた財団法人放射線影響協会が作った「原子力発電施設等 放射線業務従事者等に係る疫学的調査(第IV調査)平成17年度~平成21年度」。原発で働く人を対象にした追跡調査結果だ。

古川氏は、「放射線従事者の方々は長期被曝しておられます。一般の方々と比べた場合、癌のリスクは1.04倍になります。明らかに偶然では説明できない差をもって、放射線従事者のほうが、癌がたくさん発生してるんです」、「この放射線従事者の方々の平均の被曝線量は累積で13.3です。20ミリ以下です」。古川議員はこの質問で、被災地域の約20万人のうち3割、6万人が癌で亡くなると断言した。20mSvの被曝なら約960人が、10mSvなら約480人が亡くなる。増えた分はSPEEDIを隠した政府の責任だと指摘した。




《国会議事録》

第177回国会 東日本大震災復興特別委員会 第13号

平成二十三年八月一日(月曜日)

午前十時開会

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/177/0152/17708010152013a.html


○古川俊治君 
(略)
 今日ちょっと議員の皆さんにはお配りした資料を見ていただきたいんですが、この二十ミリシーベルトで今ずうっと、年間二十ミリシーベルトを問題にしてきたんですね。これがなぜ今百ミリシーベルト以下の、いわゆる低い線量の被曝というものにリスクがよくはっきりしないかというのは、今まで実際、ICRPも含めて全然データがないんですよ。実際、長崎、広島、あの原爆の問題、その後、チェルノブイリが一回あっただけです。当時、すごく、もう六十年前ですね、原爆の話は。そうすると、そのころの科学的な知見というのは十分でなかった。チェルノブイリでは、あの状況もありましてなかなかモニタリングができなかった。そういうことになりますと、実際にこうした原子力の事故が起こったということは、ほとんど世界にデータがないんです。まさにこの福島はそういう中で起こっているという認識を持っていただきたい。何も分かっていないのが現状なんですよ。

 そういった長期の被曝、これから、被災民の皆さんは長期に低線量を被曝したわけですけれども、これについていろんな調査がございまして、これは主にやっているのはどういうところでやっているかというと、原子力発電所の従業者の皆さんを調べていくんですね。彼らは長期に被曝をするわけです。各国でやられています。それでデータを取ろうとするんですね。この方法によりましてなかなか評価が定まらないのは、原子力発電所で働いていた方々がどこかへ行っちゃうんですね。フォローができないって問題なんですよ。そういう機構が整っているのは、日本が一番いいわけです、戸籍制度がしっかりしていますんで。

 日本には、実を言うと、二十七万七千人ばかりを調査した立派な調査があります、文部省の予算を使ってやっているんですけれども。これにおきまして、今ここに出してきましたけれども、放射線従業者の方々、この方々は長期被曝しておられます、方々を一般の方々と比べた場合、がんのリスクは一・〇四倍になります。明らかに偶然では説明できない差をもって放射線従業者の方ががんがたくさん発生しているんですね、この黄色が付いているところですけれども。これは、すなわち、この放射線従業者の方々の平均の被曝線量は累積で十三・三です。いいですか。二十ミリ以下ですね、ずっと。累積ですよ、年間じゃないです、累積です。

 もう一つ載せていますけれども、この内部比較というのは、放射線の従業者の中の方々でどのぐらい被曝をしているとどのぐらい増えていったか、そういう影響を調べているんですね。被曝する放射線量が増えれば増えるほど、どんどんがんの発生が増えていくというのがいろんながんで認めているんですね。こういうデータが既に日本ではあります。いいですか。

 どのぐらいから増えてくるかというと、累積、あるいは十、二十というところから明らかに増えているんですね。ここにも書きましたけれども、これはほかの、例えばたばこや飲酒による危険性というのも十分がんに寄与する可能性があって、それも考えられるんですけれども、放射線従業者の方々の中では決してほかに心筋梗塞とか消化性潰瘍などたばこによる影響の疾患というのは増えていないんですよ。まさにがんだけが増えているんですね。そして、飲酒によって増えるものも、別にそういう傾向もない。すなわち、この放射線の長期被曝によって、これは累積二十や十、そういうレベルですよ、それでも障害が起こっているんですね。

 文部科学大臣、お聞きしますけれども、このデータについて検討したことありましたか、今まで。


○国務大臣(高木義明君) 文部科学省といたしましては、今言われました放射線影響協会の原子力発電施設等放射線業務従事者等に係る疫学的調査、これにおきまして、未解明の部分が多いいわゆるまさに低線量域の放射線の健康影響について科学的知見を得ることを目的としてこの協会に委託をしておるところです。本調査の結果においては、累積線量が二十ミリシーベルト以下の場合も含めた低線量域の放射線に関して、低線量域の放射線ががんの死亡率に影響を及ぼしている明確な証拠は認められなかったと、こういうことが言えるという総合評価がなされております。


○古川俊治君 この結果、ここに出ているように明らかにがんが増えているんですね。これは、そういう総合評価をしたって、これ委員会がほとんど業界の人なんですよ。調べてみましたか、これみんな業界の人ですよ。たばこや飲酒との関連性が否定できないというレベルで、これを全部結局ないという話にしているんですね。これは検討していないということですよ、今大臣がおっしゃっているのは。字面だけ見ているんじゃないですか。これは明らかに差が出ていますよ。

 放射線による障害、今まで百ミリシーベルトで問題になってきている。こういうことを言っていますけれども、実際これ確率的障害、これは皆さんが金科玉条のごとく言っているICRPも確率的障害を認めているんですね。この前提に立っていますよ。ということは、二十ミリシーベルトであれば二十ミリシーベルト相応のがん化のリスクは出るということなんですね。これは科学的な結論であります。

 報道によれば、過去にがんを発症して労災認定された方、原子力発電所の労働者の方々が、それは十人いて、最も少ない人は約五ミリシーベルトの被曝だったんですよ。いいですか。五ミリシーベルト以上の被曝と被曝後一年以降の白血病の発症があれば、これは労災認定されるわけですね。これは政府がある意味で因果関係を認めているわけです、被曝との。

 現在、政府は校庭の利用の許容限度、年間被曝二十ミリシーベルトにしているんですね。そうしたら、この基準でいったら、今後、一年経過後に白血病が出てくる、これ生徒の皆さん、みんな補償することになりますよ、これ。こういうことでいいんですか。少なくとも政府は今まで二十ミリシーベルト以下は問題ないということで対応してきたじゃないですか。これはどう説明するんでしょうか。


○国務大臣(高木義明君) これは、ただいま御指摘があった約五ミリシーベルト、いわゆるこれは、厚生労働省が放射線被曝に係る白血病の労災認定要件の一つには、相当量、これは五ミリシーベルト掛ける従事年数でありますが、この放射線に被曝した事実があることとあります。

 これは、五ミリシーベルトの放射線被曝と白血病との因果関係は証明をされておりませんものの、労働者への補償に欠けることがないよう幅広く救済するという観点から設定されたものであって、これは財団法人の放射線影響協会の疫学調査の結果と矛盾するものではないだろうと思っております。


○古川俊治君 これ、広く救済するということでありますから、是非、今被災民の皆様方、ある意味で後手後手に回った政府の対応によって被災されているわけですから、これ十分にこの補償をしていただきたいと、こう思います。

 最も考えられるのは、がんの発生の問題であります。一番やっぱり問題なのは、このSPEEDIのデータが遅れたことなんですね。この公表が遅れたことでありまして、データは三月十一日、震災直後から得られていたのにそれを隠し続けた、五月二日になって公表すると明らかにしたんですね。

 この問題は、もう既に被曝を起こしているから、幾ら菅さんが今遺憾だ遺憾だと言う、繰り返す、責任感じると言っても、もう被曝したものは戻ってこないんですよ。一番問題なのは、細野当時、今大臣ですけれども、首相補佐官であった方が、細野さんが、パニックになることが懸念されたと言っているんですね。まさに故意なんですよ、これは。今後、パニックになることが分かっていたけど、これはそれで隠したという話ですからね。そう報道されていますよ。

 そういうことになってみると、故意でやった。これ私は、このSPEEDIのデータの発表が遅れたことでどれだけの皆さんが実質的に被曝を受けたかというのは今後検証すべきものだと思っていますけれども、もしこのSPEEDIの発表が遅れて被曝を受けることでがんによって人が死亡するということを思い至らなかったとしたら、これは無能な内閣ですよ、本当に。ただし、もし、いいですか、これ死亡するということが分かっていたとしたらもっと問題ですよ。いいですか。これ、本当に刑事についても問われるべきような問題だと思っています。国家賠償の問題はこれは国の責任になりますけど、刑事の問題は個人の責任ですからね。いいですか、これ。

 それで、今実際二十ミリシーベルトを超える被曝が起こっちゃっている人はたくさんいるんだ。これも、この間の参考人質疑でそういう御発言ございましたけれども、同じことを言っている専門家たくさんいます。私のうちにも、毎日メールが来ますよ。

 国立がんセンターの発表によれば、百ミリシーベルトの被曝によってがんのリスクは一・〇八倍になるというんですね。避難地域の住民の皆さんは約二十万人です。その三割はがんで亡くなりますから、約六万人の方が亡くなるわけですね。これが一・〇八倍になりますと、がんで亡くなる方も約四千八百人増えるわけですね。そうすると、確率的影響の観点から考えますと、二十ミリシーベルトの被曝なら約九百六十人、いいですか、十ミリシーベルトの確率なら約四百八十人ががんで余計に死ななきゃいけないんですよ。いいですか。

 私は、これから、政府のこのSPEEDIのデータを隠していた、このことによってどのぐらいやっぱり被曝が起こったか、これは本当に分かりませんけれども、それが仮に五ミリシーベルトだとしたら二百四十人、二ミリシーベルトだとしても約百人ですよ。これがやっぱり政府の怠慢によって、あるいは故意によって多く亡くならなきゃいけないんですよ。私、この責任、菅さんが、菅総理大臣、今日辞められるとしても、辞任されたとしても、あるいは献金問題で菅さん辞職されたとしても、ずっと残る問題だと思うんですね。

 今後どうやって、この福島県でがんを発症してくる方たちにどういうお考えでいらっしゃるんですか、その御発言を聞きたいと思っています。菅総理大臣、お願いします。


○内閣総理大臣(菅直人君) 今の御指摘は、SPEEDIの情報を隠していたという前提でおっしゃっておりますけれども、少なくとも、今日はそういう御指摘を用意しておりませんが、もう何度もいろいろなところでお答えしておりますけれども、少なくとも、例えば三月十一日あるいは十二日、そういうデータが私にももちろん来ませんでしたし、私が知る限り、同席していた政務の者に来てはおりませんでした。いろいろと経緯があったようでありますが、決して政府として隠したということではありません。


○古川俊治君 いいですか、それで本当に福島県の皆さんが納得するかどうか。あなたの責任感というのは口だけなんですね、全く。もうこれ以上のやっぱり被害は本当、速やかに辞めていただいて、これ以上被害が広がらないようにしてください。

 先ほどおっしゃいましたけれども、文部大臣、くしくもおっしゃいましたが、広くこれから認定していかなきゃいけない、そういうつもりで、労災の場合はそれでやっていらっしゃると先ほど言いましたね。

 これからの被災の皆さんの健康障害をどう救済していくかの問題ですけれども、今、福島県で全県的にこの調査をやるという話になっています。それで恐らく一番問題になってくるのは、将来のがん化の話だと思います。これは今までの理論から考えても、データから考えても当然そうなんですが、ところが、この福島県におけるがんの調査の結論が出るのは数十年後です。皆さんが、がんが多かったか少なかったかによって因果関係を判定するわけですから。ただし、その数十年でその結果が分かるまでにがんで亡くなる人はたくさんいるんですよ。

 この間の因果関係の考え方はどうされますか。これは海江田大臣ですか、よろしくお願いします。


○国務大臣(海江田万里君) 委員の本当にお話を承りまして、線量の増加による確率的影響による晩発障害と難しい言葉で言うようでございますが、要するにがんの確率が増えるということはあろうかと思います。ですから、それに対してやはり健康管理をしっかりと行うべきものだということで、福島県においてはまさに二十万の皆様方についてしっかりとそうした健康管理をやっていただくため、政府としてもできるだけの支援を行わなければいけないと、こう考えております。

○古川俊治君 私は補償の問題について言っているんです。それはどうでしょうか。今は健康管理だけの話ですね。だから、補償の問題について話してください。

○国務大臣(海江田万里君) 今の県民の健康診断、健康調査ですね、これはやはり線量と疾病の発生との関係について疫学的な評価を行うことを目的の一つにしてございます。ですから、そこで相当因果関係の有無の判断の一つとしてこれはなり得る可能性があろうかと思っております。

○古川俊治君 だから、その基本的なデータが出る前にがんで亡くなる方がいるから、その場合に因果関係の判定をどうすると考えているのかと聞いているんです。お願いします。

○国務大臣(海江田万里君) ですから、先ほどもお話をしましたけれども、まず県民の健康診断、健康調査をしっかりと受けていただいて、その中で相当因果関係があれば、当然のことながらそうした判断材料の一つになろうかと思います。

○古川俊治君 分かっていないんですよ、大臣、三十年たたないとそのデータが出てこないから、相当因果関係の判定が難しいと言っているんです。三十年待たなきゃ出てこないんです、因果関係があるかどうかという、その基本調査のデータが。だけれども、十年たってがんで亡くなる人はいるから、そのときどうするんだってお聞きしているんですね。それ、どうなんですか。

○国務大臣(海江田万里君) それは、十年なら十年でもその方の、少なくとも福島にいらっしゃったということ、それからその方の行動の記録なども残っているはずでございますから、その意味ではそうした損害賠償のことを起こしていただければよろしいかと思います。

○古川俊治君 この調査の内容についてもうこれ以上申し上げませんが、福島県がやっているお話ですけれども、どこにいたか、こういうアンケート調査方式でやっているんですね。ところが、その記憶も不正確ですし、あるいはそれを被曝量を当てはめる、それも先ほども言いましたけれども、まだら状になっていますから、被曝が正確に取れるわけでもないんですよ。そういうことから考えると、極めてこれはあやふやな調査ですし、あれが将来の因果関係の訴訟の問題になったときに、これは正直に申し上げておきますけれども、因果関係の判定においてどれほどの意味を持つのか。意味のない調査をやってもしようがないですからね、その点をしっかり監視をして続けていただきたいと思います。

(以下省略)



《古川俊治・参議院議員(医学博士)のホームページより》

http://www.toshiharu-furukawa.jp/2011/08/81_3.html

国立がんセンターの発表によれば、100ミリシーベルトの被爆によって癌のリスクは、1.08倍になるとされています。避難地域の住民の皆様は、約20万人、そのうちの約3割、6万人は癌によって亡くなります。リスクが1.08倍に増えれば、癌で亡くなる方も約4800人増えます。確率的影響の観点から、20ミリシーベルトの被爆なら約960人、10ミリシーベルトの被爆なら約480人が癌によって余計に亡くなると考えられます。

政府がスピーディのデータを隠していたことで、実際、どのくらい被爆が増えたかは、後日、検証すべき問題と考えていますが、3月当時からのモニタリング結果から概算すると、2週間でも、数ミリシーベルトの被爆が起こっていたと考えられる地域が数多くあります。これが、仮に5ミリシーベルトとしても約250人、2ミリシーベルトとしても約100人の方が、政府の無能なる情報隠しによって、余計に癌で亡くならなければならないのです。

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