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2013年12月24日火曜日

年内に山本太郎議員が「刑事告発」されるがその「告訴状」が公開された

告訴状

公職選挙法違反

大阪府箕面市石丸X丁目XX番地
山本太郎

上記の者につき、下記のとおり、頭書の犯罪の成立が認められるので、その厳正な処罰を求め、告発いたします。

平成25年12月xx日

警視総監殿

東京都世田谷区野沢一丁目35番12号棟102号
一般社団法人強い日本を創る国民会議
代表理事 堀 憲二

〒102-0073
東京都千代田区九段北1丁目3番1号 九段下プラザビル5階
弁護士法人塩谷総合法律事務所

告発人代理人
 弁護士 塩谷安男
 弁護士 井倉秀知




I 告発事実

 被告発人は、平成25年7月21日施行の参議院議員通常選挙(以下、「本件選挙」という)東京選挙区に立候補し、当選したものであるが、

1 山本太郎選対事務局長木村芳正ほか氏名不詳の運動員らと共謀の上、平成25年7月18日ころ、東京都内の被告発人選挙事務所において、東京都内在住の本件選挙の有権者で、被告発人の選挙運動用電子メールの送信をするよう求める旨又は送信をすることに同意する旨を通知した者もしくは被告発人の政治活動用電子メールを継続的に受信している者でない者の電子メールアドレスに被告発人の選挙運動用電子メールを送信し

2 氏名不詳の運動員らと共謀の上、同年7月中旬ころ、東京都内において、被告発人らにおいてあらかじめ作製した選挙運動用私製葉書を、日本郵政株式会社の選挙用である旨の表示を受けることなく頒布し

3 氏名不詳の運動員らと共謀の上、

(1)同年7月4日、東京都新宿区新宿3丁目所在の新宿駅西口付近路上において街頭演説を行った際、選挙運動用文書図面である候補者の顔写真及び氏名を掲載したノボリを掲示し

(2)同年7月9日、東京都葛飾区新小岩1丁目所在の新小岩駅付近路上において街頭演説を行った際、選挙運動用文書図面である候補者の顔写真及び氏名を掲載したノボリを掲示し

(3)同年7月10日、東京都新宿区高田馬場1丁目所在の高田馬場駅付近路上において街頭演説を行った際、選挙運動用文書図面である候補者の顔写真及び氏名を掲載したノボリを掲示し

(4)同年7月16日、東京都多摩市落合1丁目所在の多摩センター駅付近路上において街頭演説を行った際、選挙運動用文書図面である候補者の顔写真及び氏名を掲載したノボリを掲示したものである。



II 本件の事情及び告発に至る経緯

1 平成25年7月21日施行の参議院議員通常選挙(以下、「本件選挙」という)東京選挙区に立候補し、当選した被告発人については、インターネット上で、その選挙運動が公職選挙法違反に該当している旨の多くの指摘がなされた。

2 告発人は、それらの指摘を精査した上、公職選挙法違反に該当していると明らかに認められる事実にについて、本件告発に及んだものである。


3 告発事実1について

(1)本件は、被告発人らが「100万人メールメール大作戦」と称して実施した有権者への選挙運動用配信行為である。

(2)すなわち、「山本太郎は、急速に支持を拡大し、大政党と互角の戦いに持ち込んでいます。ハガキでの支持拡大はもう間に合いませんので、東京都内の知人・友人をご紹介いただき、山本太郎当選のためにお力をお貸しください」などとインターネットに掲載するなどして多数の有権者のメールアドレスを入手し、それら有権者に対し選挙運動用メールを配信したものであるが、これが公職選挙法が禁止している被告発人の選挙運動用電子メールの送信をするよう求める旨又は送信をすることに同意する旨を通知した者もしくは被告発人の政治活動用電子メールを継続的に受信している者でない者の電子メールアドレスに被告発人の選挙運動用電子メールを送信する行為に該当することは明らかである。

(3)前記メール配信後、被告発人の選挙事務所は、インターネット上に、選対事務局長木村芳正名義によって「メールを選挙運動用メール受信の確認のステップを踏まずに送信してしまった」などと記載した文書を掲載し、当該事実を認めた上で、過失であったかのように主張している。

(4)しかしながら、投票日間近のこの時点で、入手したきわめて多数のメールアドレスの使用者から送信同意の有無を確認し、同意が得られた人物のみにメールを送信するなどという手続きを行うことはほとんど不可能に近く、まさにはがきの送信が間に合わないことから、その代替手段として入手したメールアドレスすべてに選挙運動用メールを送信したことは明らかである。



4 告発事実2について

インターネットにおいて、日本郵政株式会社の選挙用である旨の表示のない被告発人の選挙運動用私製葉書がポストに投函された旨の記事が掲載されており、そのような行為が行われた事実は間違いないものと考えられる。しかしながら、告発人は、各方面に呼びかけたものの、現在に至るも当該はがきを投函されたものを特定することができない状態である。


5 告発事実3について

インターネットに掲載された映像及び画像により、被告発人が街頭演説を行っている際、そのすぐそばに「山本太郎」と大書され、本人の顔写真がプリントされたノボリが立てられている事実を明確に認めることができる。おそらく、選挙期間中に被告発人が行った全ての街頭演説において、このようにノボリが用いられたものと優に推認できる。


6 その他の違反事実

被告発人及びその選挙事務所関係者に関しては、上記以外に以下の公職選挙法違反行為に及んだ疑いがある。

(1)カンパ(寄付)行為について

① 告発事実3の各街頭演説の場において、準備されたカンパ箱を利用して運動員が選挙運動への資金カンパ(寄付)を求めている事実が認められる。これが選挙期間中の選挙運動に関する寄付であることは明らかであるから、出納責任者以外の者については、寄付を受けた日から7日以内に、寄付者の氏名、住所、職業並びに寄付金額および年月日を記載した明細書を出納責任者に提出することが義務付けられており、これに違反した場合は刑事罰が課せられる(公職選挙法第186条第1項、第246条第3項)。

② また、出納責任者は、選挙運動に関する収支報告書を選挙の期日から15日以内に選挙管理委員会に提出することが義務付けられており、これに虚偽記載があった場合は、刑事罰が課せられる(公職選挙法第189条、第246条第5の2号)。

③ しかるところ、上記カンパにおいては、カンパ箱を机の上に置き、その脇に紙が用意されている映像が認められるから、寄付者に対して、氏名、住所等の記載を求めていた可能性はある。しかしながら、その一方で、カンパ箱を紐で首にかけ、カンパを求めている運動員の映像が認められるが、この運動員が寄付者に対し、住所、氏名等の記載を求めていたとは考えられない。

④ また、被告発人の選挙運動の出納責任者が選挙管理委員会に提出した収支報告書によれば、選挙運動に対する現金の寄付は平成25年7月9日と同月22日の2回のみで、いずれも政治団体「新党今はひとり」からのものと記載されている。

⑤ しかしながら、被告発人の街頭演説の場において、運動員の準備したカンパ箱に現金を入れる形で行われた寄付が被告発人の選挙運動に対して行われたものであることは明らかであり、これについては選挙運動に対する寄付として収支報告書に記載されるべきものと認められる。

⑥ したがって、カンパを受け付けた運動員には上記明細書の提出を行わなかった違反、出納責任者には上記収支報告書に虚偽の記載を行った違反の可能性が高いと考えられ、上記明細書の所在及び記載内容を確認することによって、この点を解明すべきである。


(2)投票日の電話勧誘について

マスコミが撮影した投票日当日の被告発人選挙事務所の映像には、指導的立場と思われる運動員が、田の運動員らに対し、被告発人の得票数を増加させる目的で、知り合いに電話をかけ、投票を行うよう呼びかけることを支持している姿が映っている。これが、選挙運動期間外の選挙運動(公職選挙法第129条、第239条)に該当することは、明らかである。



7 告発に及んだ理由

以上、被告発人の選挙運動に関しては、違反行為、もしくは違反の疑いが強い行為が認められる。

そのひとつひとつについては、重大な違反と言い難いものであるが、このように多種多様な違反が繰り返されている事実は、被告発人および運動員らが当選を得るためには違反行為に及ぶ事も辞さないとの姿勢をもって選挙運動に臨んでいた事を物語っていると言える。

告発人は、被告発人及び運動員らが公然と違反を行い、それがインターネットによって公表されているにもかかわらず何らの処罰も受けないということが、国民の健全な遵法精神に照らして許されるべきものではないと考え、かつ今後の選挙運動に悪影響を及ぼすことを慮り、厳正な処罰を求めて、本件告発に及んだ次第である。