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2012年11月17日土曜日

福島で2人目の甲状腺癌の子供が出現したが県立医大は楽観論一色


☆福島、甲状腺がん判定へ 子ども1人「2次検査必要」
(共同通信)

http://www.47news.jp/CN/201211/CN2012111701001618.html

調査を進めている福島県立医大は「チェルノブイリ原発事故でも甲状腺がんの発見に最短で4年かかった」として、放射線との因果関係は低いとみているが、血液や細胞を調べ、がんかどうか判断する。




▼ しかしチェルノブイリで治療にあたった経験を持つ菅谷昭医師=松本市長は以下のように述べている ▼


huromu
https://twitter.com/huromu/statuses/251646849600065537


菅谷昭市長「チェルノブイリ事故の翌年から増加」東京新聞

http://p.twpl.jp/show/orig/pEedP

http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2384.html

今回の福島県での結果(検査対象は18歳以下)について、検査を担当する県立医大の鈴木眞一教授は「チェルノブイリ事故でも、甲状腺がんが見つかったのは最短4年」と説明したが、同市長は「事故後、早い時期に甲状腺がんが発症する可能性は否定できない。現段階では『わからない』としか言えないはずだ」と即断をいさめる。





▼ チェルノブイリ事故後の「子供の甲状腺癌」は「全身に転移」しやすかった~「小児甲状腺癌の増殖スピ-ドが速く他の臓器、特に肺への転移をきたしやすい」との記載もある ▼

Health Effects of Chernobyl
25 years after the reactor catastrophe

チェルノブイリの健康被害
原子炉大惨事から25年の記録


第5章 甲状腺がんとその他の甲状腺疾患

http://isinokai.blogspot.jp/2012/03/5-5.html

旧ソ連外では、1990年秋にベルリンで、チェルノブイリ事故以降の甲状腺疾患の実情が初めて詳細に発表された138)。
ミンスクの医師マリア・アンクドヴィッチは放射線被ばくが甲状腺がんを引き起こすのみならず、それより多い頻度で甲状腺腫大や種々の自己免疫性甲状腺炎や甲状腺機能低下症をもたらすと報告した。甲状腺に被ばくした子どもではホルモンの分泌状態が変化するために、小児・思春期の子どもたちの機能障害や発達障害のリスクが増大している。神経内分泌制御が障害されると、下垂体や副腎皮質、膵臓、乳房、卵巣などの臓器でがんが増加する可能性もある。

彼女の報告によると、ベラル-シ南部の小児の約5%が10グレイを超える放射線被ばくを受け、非管理地域の約20%の小児が1グレイの被ばくを受けた。特に注目すべきはベラル-シ出身の小児での甲状腺がんの増加である。甲状腺がんは通常老人に起こり、小児においては極めてまれな疾患である。1986年以前は、ベラル-シで年間新たに発症する頻度は0~2例だったが、1989年までに7例、1990年秋までに22例に上った。この時点で、過去の経験からみても、より重大で急速な雪崩的増加が近づきつつあることはすでに明白であった。この勇敢な医師の誠実な行動は彼女のその後のキャリアを著しく傷つけた(訳注:出世できなかった、あるいは左遷された)。

(略)

ベラル-シの甲状腺がん症例のデ-タはすべて一か所にまとめられているため、電話一本で実際の数字を知ることが可能であったはずである。今日私たちがわかっていることは、

・  チェルノブイリ地域の子どもから採取された組織標本は、アメリカのF.A.メットラ-教授(このプロジェクトを主導した科学者の一人)のデスクにあり、彼は報告書に書かれた内容が事実とは異なっていることを知っている)。

・  チェルノブイリ・プロジェクトに関わった科学者たちはベラル-シ保健省から出された一つの報告書を所持していた。この文書は、ホメリ(ゴメリ)の高濃度汚染地域の子どもたちのあいだで甲状腺疾患が有意に増加しており、このことに対してはっきりと注意を促したものであった)。しかし、この報告は無視された。


1995年11月20日~23日、WHOはジュネ-ブ(スイス)で国際会議を開催し、チェルノブイリ原発事故(および他の核関連施設での事故も含む)の健康被害について討論した。この会議で甲状腺疾患の研究結果が報告され、甲状腺がんの頻度が特に高度汚染地域の子どもで急激に増加しており、そのスピ-ドは予想をはるかに超えていた)。

WHOの専門家であるキ-ス・バヴェルストックによれば、事故からがんが増加するまでの時間が「驚くほど短かった」。しかも、発症したベラル-シの子どもたちではがんの増殖スピ-ドが予測以上に速く、そして全身に転移した)。

小児甲状腺がんがもっとも多く発生したのはホメリ地域であった。ここはチェルノブイリ事故でもっとも被害を受けた場所である。ベラル-シで甲状腺がんになった子どもの約50%はこの地域に集中していた。成人で最初に甲状腺がんが増えはじめたのもこの地域だった。同地域に住む0~18才の子どもで、1998年の1年間に新たに発症した患者数を調査したところ、13年前(チェルノブイリ事故以前)の58倍に達していた。

(略)

甲状腺がんを発症した大多数の子どもは事故当時6才未満で、更にその半数以上は4才未満であった。ベラル-シでは0~14才の小児甲状腺がんの発症率は1995年がピ-クであった。小児甲状腺がんの増殖スピ-ドが速く他の臓器、特に肺への転移をきたしやすいことが明らかになった。このことは事故後早い時期に判明した。こうした症例はほとんどが甲状腺乳頭がんであった。

(略)

オケアノフらは成人でもまた、甲状腺がんの発症率が上昇したと指摘している。