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2012年5月3日木曜日

「市民と科学者の内部被曝問題研究会」が起動した


《ある人から》

はなゆーさん、これの拡散をお願いします。重要な文。TWITTERの皆様が読むべきです。

命を守る被曝防護を目指して「市民と科学者の内部被曝問題研究会」を立ち上げました。


http://chikyuza.net/n/archives/22498

矢ヶ崎:劣化ウラン弾はウラニウム238を使用することに寄ります。核分裂をもたらすものではなく、ウランの質量の大きいことを利用して戦車に穴をあけて破壊するための砲弾です。質量の大きい重いウランが熱により燃えやすいことが、劣化ウランの徹甲機能を飛躍的に増加させます。その際生ずる酸化物のエアロゾールが危険をもたらします。ウラニウム238の半減期が45億年と長いものですから単位時間当たりの放射線数は少なく、ICRP論者は「5グラム飲んでも危害は出ない」と主張しました。典型的にICRPのリスクモデルの誤りを示すケースです。

 エアロゾールは放射性微粒子の構成であり、内部被曝では時間的と空間的に危害が与えられます。空間的条件は、アルファ線は40マイクロメートルしか飛ばずにその間に10万個の分子切断を行います。また、アルファ線にはバイスタンダー効果が顕著であり、今まで考えられていた以上に非常に高いリスクをもたらします。今までは、放射線の影響は、単に放射線に打撃された細胞に留まると考えられていましたが、打撃された細胞の周囲にある打撃されていない細胞に、遺伝子の変成がもたらされるということが発見されました。

*バイスタンダー効果とは、打撃されていない細胞の遺伝子が影響を受けてしまうもので、内部被曝の危険さをさらに浮き彫りにするものです。

*半減期の長いアルファ線による被曝は、時間的には間隔を置いた放射が、細胞の修復過程を襲い、遺伝子が一度変成されてから次の変成までの期間を、再打撃により短縮させ、発がんまでの期間を短縮させる恐れがあります。

*イラクには、1991年の第1次湾岸戦争では、300トンから800トンの劣化ウラン弾が主としてバスラ地方に使用され、2003年の第2次湾岸戦争では1000トンから2000トンがバグダット等の人口密集地にも使用されたといいます、ボスニア紛争にも使用されました。被弾した地方には、おびただしいがん等の発生が報告されています。白血病、リンパ腫、脳腫瘍、出生児の先天的形成異常、死産、・・・。攻撃したアメリカや国連軍等の兵士やその家族にも被害が及んでいます。

*1995年と1996年には、沖縄の鳥島に合計1520発、約200キログラムの劣化ウランが、米海兵隊のAV-8B(ハリヤー)2機により機銃掃射されました。1997年に発覚した時の第一声で米軍は沖縄県民に向けて「劣化ウラン弾は放射能では無い」と言明したのです。その後、米軍は何回かの調査に入り、ホットスポットが見つかると周囲の土砂を取り除き、「鳥島には残留した放射能は無い」と発表することを繰り返し基本的な撤去作業は何も行わずに済ませてしまいました。米軍は劣化ウランが「嘉手納弾薬庫と岩国基地にある」と明言しています。日本政府は繰り返しの住民の要求にもかかわらず、撤去要求はついに出しませんでした。

このような劣化ウラン弾の被害はICRPでは全く予見できないのです。ICRPが市民の命を守ることには典型的に無力であり、逆にアメリカ軍などにとっては、軍事的使用を容認してくれるありがたい「防護体系??」をICRPは提供しているのです。

本委員会は、ECRR2003年モデルの発表以降、当モデルの予測を裏付ける疫学的報告があったことを指摘しておく。すなわち、2004年のオケアノフによるベラルーシにおけるチェルノブイリの影響報告、および2004年のトンデルによるスウェーデンにおけるチェルノブイリの影響報告である。

矢ヶ崎:アメリカは、核恫喝政策を維持するために、いつでも核兵器を使えて、いつでも核戦争ができる体制が必要だと考えてきました。そのためにウランの濃縮工場はいつでも稼働させておく必要がありました。原発は、アメリカがウラン濃縮工場を経常的に夜も昼も運転させ続けるために考え付いた商売だと言われます。そもそもが「核戦略上必要」だったのです。たかがお湯を沸かすだけのために、このような危険な装置を使おうなどとは、健全な社会を望む健全な市民は、絶対に考えないことです。基本的に現状は放射能を技術的にコントロールする技術を持ちません。ただ封じ込め、冷やし続けることだけが、異質な危険に対応するものです。いつまでも封じ込め続けられるはずがありません。技術では解決できない、危険を内包するものを継続する必然性は全くないのです。

14、 本委員会の勧告を列挙する。あらゆる人間的活動をふくむ公衆への最大許容線量は、0,1ミリシーベルトを超えるべきではなく、原子力作業従事者にたいしては2ミリシーベルトとすべきである。これによって原子力発電施設および再処理工場の操業はきびしく削減されることになるが、人類の健康障害があらゆる評価の中にふくまれており、原子力発電は犠牲が大きすぎるエネルギー供給の方法であるという本委員会の確信がここに反映されている。どんな新しい実践においても、すべての個々人の権利が尊重されるやり方で正当化されなければならない。放射線被曝は、利用可能な最新技術を駆使して合理的に達成しうるかぎり低レベルに抑えられるべきである。最後に、放射性物質の排出という環境影響については、すべての生命システムにたいする直接・間接の影響をふくめた全環境との関連性において評価されなければならない。


がれきは「放射能は拡散するべからず、焼却するべからず」という大原則の上で処置しなければなりません。強汚染地帯に野積みされたものは必ず汚染されています。「汚染されていないがれきはありえない」というくらいに言いきって良い状態だと思います。原子炉の中にあるときは「放射能は封じ込める」に徹してきたはずです。それが事故で放出するや、広域に拡散せよとは何事でしょうか!全く矛盾極まりない対応です。何より政府と東電が明確な責任と実践を示すことが必要です。

 「除染すれば住めるようになる」ということは現在の高汚染状況では誤った考えです。チェルノブイリ周辺3カ国は、年間1ミリシーベルト以上の汚染地域は、移住権利区域(移住を申請すれば国が責任を持つ。住んでいても良いが特別の注意が必要)、5ミリシーベルト以上は、移住義務(住んでいてはいけない)という限度基準を持ち、住民を保護しています。日本の基準はそれに対応する基準としては20ミリシーベルト、50ミリシーベルトであり、国際的にみても経験を学んでいません。国民を捨てていると非難されても当然です。「直ちには影響はありません」、「必要なのは安心している心です。にこにこして暮らしましょう」では、民を捨てることそのものです。しっかり民を守る立場に政府を立たせることが必要です。

矢ヶ崎:アメリカは、核恫喝政策を維持するために、いつでも核兵器を使えて、いつでも核戦争ができる体制が必要だと考えてきました。そのためにウランの濃縮工場はいつでも稼働させておく必要がありました。原発は、アメリカがウラン濃縮工場を経常的に夜も昼も運転させ続けるために考え付いた商売だと言われます。そもそもが「核戦略上必要」だったのです。たかがお湯を沸かすだけのために、このような危険な装置を使おうなどとは、健全な社会を望む健全な市民は、絶対に考えないことです。基本的に現状は放射能を技術的にコントロールする技術を持ちません。ただ封じ込め、冷やし続けることだけが、異質な危険に対応するものです。いつまでも封じ込め続けられるはずがありません。技術では解決できない、危険を内包するものを継続する必然性は全くないのです。

*原爆が落とされ、ビキニで被災したこの日本で、フクシマが起こり、三度被曝の被害者が隠ぺいされようとしています。被害者が切り捨てられようとしているのです。棄民を積極的に「考え方として」指示しているのがICRPです。ICRPは今までの犠牲者隠しと同様に、フクシマでの犠牲者をさらに隠す恐れがあります。それはホールボディーカウンターなどの内部被曝計測を極めて短時間でこなし、全ての人に計測によって「科学的に」内部被曝はありませんでしたと、証明しようとしています。測定したというパフォーマンスで実際に被曝している実態を糊塗しようとしているのです。日本の市民はこれを許してはなりません。政府や行政をありのままに誠実に対応する機関に代えなければなりません.

すでに深刻な健康被害が、子どもたちだけでなく大人にもたくさん現れています。福島界隈だけでなく、関東圏を含む広範囲な地域から、鼻血、口内炎、抜け毛、充血、生理異常、気管支炎、下痢、咳、倦怠感、皮膚斑点、微熱、食欲不振・・・が、3.11以降の健康変化として訴えられています。しかしながら、病院での対応はけんもほろろに、「こんな程度の放射線被曝で、こんな症状が出るはずがない」、「放射線を気にするより、明るくはつらつとしていた方が何倍もましです」という対応をされるという。憂慮すべきことですが、多くの病院の医師がICRPのみの教育を受けて、内部被曝の実態を認識していないからだと思います。

 内部被曝では放射性物質は身体のあらゆるところに運ばれて、放射線を発射しますので、あらゆる健康被害や病気が、必然的にでてくるのです。チェルノブイリを含めて新しい放射線障害の情報が続々と届いています。あらゆる病院のあらゆる医師は、最先端に立たされた心持で放射線被害の実態を学習し、現場に来る市民の健康変調に最大限の「医の倫理」を発揮して対応していただきたいのです。決して「医の安全神話」という、人権の対極にある権威主義を押し付けるようなことは行わないでほしいと思います。

 チェルノブイリの周辺と比較して、フクシマと同等レベルの汚染があったところでは大変な健康被害が出ています。福島市、郡山市等を含む中通りは、チェルノブイリ西方100キロから150キロメートルに展開するルギヌイ地区(ウクライナ)の汚染状況と同程度です。ルギヌイ地区では、子どもの甲状腺の病気・悪性腫瘍の超多発、免疫力の低下、平均寿命の短縮、生まれた赤ちゃんの先天性形成障害、病弱、等々が観測されています。これらの健康被害が、福島では出ないから「安心してにこにこしているのが大事」などというのは、いったい何を狙って話をしているのでしょう?ましてや、放射性ヨウ素が大量に漏れ出した時に、政府は安定ヨウ素剤を配布可能なのに、とうとう投与しませんでした。パニックを恐れたからだと一部ではいわれていますが、これほど人命を軽んじた「ストレスが病気を招く論」はありえないでしょう。人をばかにするにも限度があります。

 福島県の実施した子どもの甲状腺検査では、30%の子供に、しこりあるいは嚢胞が観測されました。ベラルーシでの研究結果からは、子どもの甲状腺にはセシウムが多量に入っています。このことは今なお、子どもたちの甲状腺はセシウムの放射線で撃たれ続けられていることを物語っています。福島県では2年後まで、検査をしないといっているようですが、少なくとも半年に一遍は、緻密な健康調査をするべきです。福島県内の子どもだけでなくて、全国の子供に、個人負担なしの丁寧な健康診断と治療制度が必要です。

 福島県の汚染状態は、チェルノブイリ周辺国で、「移住義務」とされている汚染度以上の地域が遍在します。汚染度からいえば、とにかく避難するべき地域なのです。逆に政府によって、呼び返されるような事態を迎えていますが、避けなければなりません。特に子どもたちには、集団疎開させて安全をまず、確保させるべきです。

日本という国は、被爆犠牲者を最大限隠ぺいする「科学の操作」が行われた舞台を提供し、核兵器による恫喝する軍略を支え、原発犠牲者を最小に見せる「科学操作」を展開する拠点を提供してきました。残念ながらそのICRPの支配体制が、戦後67年になる今日も続いているのです。

 日本の良心ある市民と科学者は職業や専門の如何によらず、この「良心を売り渡した似非科学」に終止符を打つ必要があります。具体的で明瞭な科学論を持って、健全な社会を求める市民力を持って、ICRP体制に終止符を打つ必要があります。

 私どもは、被曝の科学をめぐる歴史を明らかに、科学らしい内部被曝研究を実施し、命を守る被曝防護を目指して、「市民と科学者の内部被曝問題研究会」を立ち上げました。市民の皆さんと科学者が手を取れば、いのちを守れる展望を開くことが可能であると思います。