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2012年4月20日金曜日

〔被曝メモ〕千葉県東葛地域とチェルノブイリ事故後に発病が増加した地域


チェルノブイリ事故後に健康被害が増加したウクライナ・ルギヌイ地区では千葉県東葛地域と重なるセシウム137レベルの地域でも定期検診を実施
http://2011shinsaichiba.seesaa.net/article/265437525.html

福島県郡山市とチェルノブイリ事故後のウクライナ・ルギヌイ地区はセシウム137の汚染レベルがよく似ており、それらの下限は千葉県東葛地域のセシウム137レベル1万~6万Bq/m^2(2011年9月)と重なる。同地区では事故後に健康被害が増えており、東葛地域と同じ汚染レベルの地域でも全身カウンターによる定期検診が子どもだけでなく大人にも実施されている。


チェルノブイリ汚染分類     Cs137 kBq /m^2  郡山市     ルギヌイ地区(農地面積)
移住義務          555-      0 (0%)  2 (0.6%)
移住権利          185-555   19 (16.1 %)     42 (12.7%)
管理強化          37-185    69 (58.5 %)     283 (85.2%)
       -37  32 (27.1 %)     5 (1.5%)


表は矢ヶ崎克馬氏が福島集団疎開裁判意見書甲49で「ウクライナ・ルギヌイ地区住民の健康状態」と文科省調査結果を基に作成(表記を一部修正)。


「チェルノブイリ事故による放射能災害―国際共同研究報告書」(今中哲二編、技術と人間、1998 年)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/J-Version.html
第4章「疫学研究と健康統計データ」18節「ウクライナ・ルギヌイ地区住民の健康状態」(イワン・ゴドレフスキー、オレグ・ナスビット:ルギヌイ地区医療協議会、ウクライナ科学アカデミー・水圏生物学研究所)


福島集団疎開裁判・矢ヶ崎意見書甲64(「ウクライナ・ルギヌイ地区住民の健康状態」を収載)
(注:PDF)
http://1am.sakura.ne.jp/Nuclear/kou64.pdf

福島集団疎開裁判・矢ヶ崎意見書甲49
(注:PDF)
http://1am.sakura.ne.jp/Nuclear/kou49Yagasaki-opinion.pdf

文部科学省による埼玉県及び千葉県の航空機モニタリングの測定結果について(平成23年9月29日)
(注:PDF)
http://radioactivity.mext.go.jp/old/ja/1910/2011/09/1910_092917_1.pdf

「ウクライナ・ルギヌイ地区住民の健康状態」によれば、同地区ではチェルノブイリ事故前の1984年には胃がんの診断後余命が62カ月であったが事故後の96年には2.3カ月に短縮するなど、「事実上すべての患者に免疫力の低下がみられた」。内分泌系では、子どもたちの間で甲状腺疾患数が88年~90年に1000人当たり10件だったのが、95年までに90件以上に上昇し、甲状腺腫数も91年までのゼロから95年までに1000人当たり約13症例に上昇している。新生児罹病率も86年までの1000人当たり50人前後から88年以降は約150人~300人以上に増加している。事故前にはまったく記録されていない「間脳の障害を伴う自律神経失調症」が事故後に急増するなど、精神神経障害も増えている。若者の高血圧の増加など老化指標が確認されており、事故前(84年~85年)の平均寿命75歳が事故後(90年~96年)は65歳になった。

ルギヌイ地区の管理強化地域(東葛地域の汚染レベル)を含む汚染地域では全身カウンターによる定期検診が子どもだけでなく大人にも実施されている。