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2012年4月23日月曜日

〔史料〕劣化ウラン弾が多用された戦場から帰還したイタリア兵の病死相次ぐ


☆Di : viviana per Marzia Bonacci
(venerdì 11 novembre 2005)

http://bellaciao.org/it/article.php3?id_article=11095


▼ 以下邦訳 ▼

バルカンに死す(BellaCiao)~伊帰還兵の病死続く
http://www.asyura2.com/0510/war76/msg/189.html
投稿者 kamenoko 日時 2005 年 11 月 15 日


24歳伍長、ボスニアとコソヴォで使用されたウランによる最新の犠牲者。
同じ病気ですでに40人の若者が命を落とした。そして300人がバルカンの死病を患っている。

診断名は”ホジキン病”。政治用語では”バルカン症候群”と呼ばれているが、家族にとっては消化するのが困難な死が伴う耐え難い経験だ。 ファビオ・セナトーレ(24歳)は、月曜パヴィアの病院で亡くなった。04年から彼のリンパ線機能にダメージを与えていた腫瘍との闘いに、再度の移植手術に望みを託しての入院先で亡くなった。 ボスニアとコソヴォに、都合3回平和ミッションで派遣されたナポリ生まれの若い伍長の最後の任務は1年前だった。

彼と同じ病棟には、同じくナポリ人のルカ・セペとアントーニオ・ミラノがいた。バルカンにゆき、同じくリンパ腺のガンで02年と04年に亡くなった。

若いイタリア兵の死を繋ぐ線は細くなく、派遣地もイタリアを含む国際軍が作戦行動を行った元紛争地と共通している。 クウェイト(91年 第一次湾岸戦争)、ソマリア(93年 RestoreHope平和ミッション)、ボスニアとコソヴォ(99年)、劣化ウラン弾が使用された戦争と平和維持の地域だ。

発がん性物質に晒された結果、病気を患うイタリア兵は300人と考えられており、40人が亡くなった。

軍需品に含まれる劣化ウラン(Isotope235)は、着弾すると3千~5千度という高温で燃焼し、ナノ単位の粉塵に変わる。これが空中に留まると、環境、特に人体へのリスクが非常に高くなる。 直接吸引、もしくはウランに汚染された土壌の食物を通じての摂取で、悪性腫瘍(白血病、ホジソン氏病、非ホジソンリンパ種、甲状腺ガン)や流産、先天性形成不全のリスクが高まると言われる。

94年8月、NATOは敵の殲滅を目的に主に弾丸の形でA-10から劣化ウランを投下したと明言した。ここから国連は96年に劣化ウランを追放に動いたが、イラク・アフガニスタンの戦争での長期使用は一瞥したに留まる。

3つの科学委員会が腫瘍と劣化ウラン軍事使用の関連性の調査に任命され、上院委員会の調査も進行中。 

”バルカン事件”が勃発したのは2000年の12月だった。 

旧ユーゴスラヴィアから帰還した数人の若い兵士が白血病を発病し、01年1月4日アマート政権内相Sergio MattarellaがFranco Mandelli教授に委員会設立を命じる。 ボスニア・コソヴォに従軍した兵士に広まる腫瘍の関連性について、医学的・科学的観点収集が目的だった。

しかし調査の結果は、ウランと腫瘍の関連性の存在を退けるものだった。

調査チームが出した著名血液学者の最終見解は、関係家族および不完全かつ矛盾した委員会結論を非難する Anavafaf(犠牲兵支援機関)会長Falco Accame の論争を呼ぶ。 

Mandelli委員会が出したあらゆる調査結果は、この件についての政府の基準として残る。  

信憑性に疑いを抱く者が少なくないにもかかわらず、Isotope235が発病に関わる役割の真実を巡っての闘いは続いている。 例えば軍人・民間人を擁護する立場から、軍事オブザーバー代表Domenico Leggiero准尉は、イタリア兵士とその子孫たちの死と病気の黙殺を非難している。 一方Accameは、民間人についても調査を求めている。 活動中に放射性爆撃に巻き込まれた多くのNGOボランティアの多くが、ガンを発病する可能性がある。

ここに焦点が当たったことで、イタリア政府は01年にNATOが爆撃したバルカン半島領域の調査と汚染物質除去について公式義務を負うことにした。 

3月21日、上院は01/84法8条を可決し、環境相と外務相に託した環境調査に基金(66億リラ)を設けた。02年には劣化ウラン被害を受けた軍人・民間人のモニター調査を試みることで、政府と自治体の合意が成立。

しかし最初の対策がとられてからの結果はまだ明らかになっておらず、スクリーニング計画に至っては、04年のMauro Bulgarelli緑の党議員のことばがあるのみだ。

Girolamo Sirchia保健相(当時)とAntonio Martino国防省に対する要請で、「バルカンミッションに派遣された民間人・軍人の健康スクリーニングがいまだ沖合いにあるのはどういうわけでしょう?」。