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2013年1月18日金曜日

【頭髪】チェルノブイリ事故時に訪露していた日本人はけっこう被曝していた


チェルノブイリ事故時における邦人旅行者の保健調査と除染

放医研

(注:PDF)
http://www.nirs.go.jp/db/chi/doc/ris003.pdf


(重要点.1)雨水と共に付着した場合、2)毛髪が薄い場合、3)損傷毛(ダメージヘア)の場合、効率が低くなることが明らかになった。
5月1日のメーデー・パレード見物中、雨に濡れた集団(第3便)では除去効率が低い.
チェルノブイリ事故時における邦人旅行者はかなり,汚染されていた.)


1986年4月26日にチェルノブイリ原子力発電所事故が発生したため、5月5日、放医研職員35名が成田空港に出動し、被験者の問診、汚染サーベイを行い、汚染が認められた者については採血、採尿、鼻腔スメアを採取した。サーベイの数値がスクリーニング・レベルを超えた者は除染のために放医研に移送した。除染のスクリーニング基準値以下で、頭髪等の汚染がある者には、個別に、シャンプー、中性洗剤を用い、ぬるま湯で、強すぎない程度の洗髪で洗い流すことを教え、着衣等は、自宅での頻回の水洗いを指示した。

放医研内緊急医療棟での洗髪の結果、頭髪の放射性物質除去効率は、1)雨水と共に付着した場合、2)毛髪が薄い場合、3)損傷毛(ダメージヘア)の場合、効率が低くなることが明らかになった。

被験者118名中、身体汚染検出者は55名、47%に相当した。汚染部位は、頭髪が最も多く、47名、40%であり、甲状腺と上着の肩、各21名で、18%を占めた。

最大測定値は、頭髪2,500cpm、着衣の肩3,000cpm、甲状腺0.028mR/時、鼻部0.02mR/時であった。問診により、頭髪は、汚染後の洗髪の有無により、明らかに差が見られた。かつら着用の女性2名では、かつらからは5,000cpmも検出されながら、自身の頭髪汚染は全く検出されなかった。

頭髪、鼻部、甲状腺、着衣のいずれかがスクリーニング・レベルを超える者については採血、採尿、鼻腔スメアを行った。尿検体は、尿中131I排泄が17名、14%に見られ、最大測定値は4,100pCi(=150Bq)を示した。血液検体は、採血者全例が20pCi(=0.7Bq)以下で、鼻腔スメア18検体の放射能は検出限界以下であった。


2) サーベイの数値がスクリーニング・レベルを超えた15名は除染のために放医研に搬送した。

搬送された汚染者は、放医研の緊急医療棟のシャワー室、処置室にて、汚染防護衣等を身につけた技術課のホット作業員2名と応援の看護婦3名により、皮膚の被ばく線量低減と、ホールボディカウンター(WBC)測定の事前処置としての洗浄を行った。被験者の身体洗浄後の除染成績は表に示した。


頭髪の汚染除去の結果

5月1日のメーデー・パレード見物中、雨に濡れた集団(第3便)では除去効率が低いことがわかった。すなわち、雨水と共に付着したフォールアウトやダストが溶融して毛髪や皮膚に浸潤し、内部汚染を来たしていたために汚染の除去効果があがらなかったと思われる。このほか、頭頂部の毛髪が薄い例では、汚染が毛根や皮下に移行して、その部位の残留濃度が高値を示した。また、第一便の除去効率が低い女性2例は、いずれも損傷毛による。

除染後ホールボディカウンターで精密測定を行ったところ、6名からは最大で甲状腺に60nCi(=2200Bq) の131I が検出された。その甲状腺の被ばく線量は5.9mSvと推定されるが、健康上、特別の支障はないものと判断された。

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